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「#幼馴染」のBL小説を読む
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言いたいことがあるなら食堂で食いながら話せばいいのにわざわざ食後に呼び出され、急いでメシをかきこんで向かえば呼び出した当人はだんまりときた。
おれの少ない昼休憩がごりごり削られていくんだが新手のイジメか?
まったく、いい話じゃなきゃ許さないぞこの野郎。


***


帰り際に伝えるのはなんとなくまずい気がした。
部屋に戻り一人になって他にすることもなくじっくり考えられたらきっと真剣な答えを返されてしまう。
いや、真剣な答えがほしくないわけではないが、でも、なんとなく。
そう考えて時間なんかなくたって数秒あれば事足りるのだしとアルバを呼び出した昼休憩、張り付いて動かなくなった舌に愕然とした。
バクバクと心臓の音だけがやけにうるさく鳴り響く。
緊張で言葉が出てこないなんて、自分はそんなキャラではないはずなのに。


***


「おいボルサリーノ、言いたいことがあるならさっさと言えよ」
「……うるさいねェ〜せっかちな男は嫌われるよォ〜」

向かい合って待つこと数分、自分が悪いのを棚に上げて舌打ちするボルサリーノに少しだけホッとした。
悪態に隠れているのは羞恥と混乱と緊張感。
ということはつまり不治の病で余命を宣告されただの好きなやつができたから協力しろだのというおれにとって都合が悪い話の類ではないのだろう。
自分の不幸は淡々と口にするし協力をあおぐときは有無を言わせない。
ボルサリーノはそういうやつだ。
「時間ないし急ぐ話じゃないならまた今度でいいだろ」と切り上げるとボルサリーノは少し迷うそぶりをみせたあと「しかたないねェ」と息を吐いた。
明らかに肩の力が抜けたボルサリーノの様子におれはいったい何を聞かされようとしていたのかと逆に怖くなってくる。
思いつくのは告白ぐらいだがそんな都合のいい話は、さすがにまあ、ありえまい。

「……………はあ」

もし本当にそうだったなら、休憩時間なんて全部返上してもいいんだけどな。


***

「ああああああああああ!!!!くそ、この……この……もう!!!!」

憎まれ口なら叩けるのに肝心の二文字が出てこないなんて、役立たずのこの口め!