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「#幼馴染」のBL小説を読む
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なあ知ってる?スモーカー大佐の葉巻の吸い殻ってさァ、普段絶対に噛み跡ついてねェの。
別に特別硬いわけでもなんでもない普通の葉巻だぜ?いつも咥えたまま喋ったり訓練したりしてんのにすごいよなァ。
強い海賊とやりあった後なんかはさすがに歯ァ食いしばってるみたいで吸い口潰れてんだけど普段は余裕?みたいな?マジでかっけェよ。
でもなァ、そんだけ余裕のスモーカー大佐なのにな、唯一例があってさ。おれと話した後だけ毎回くっきり噛み締めた跡がついてんだよ、葉巻。
おれ性格こんなだからよく大佐のこと怒らせて怒鳴られたりしてたけどさ、怒鳴るくらいなら訓練中にだってしてるじゃん?もうどんだけ苛つかせてんだって話だよ。
そんで、まあわかっちゃいたけど、嫌われてんだなァって。
それならおれはいなくなったほうがいいだろ。
ちょうど引き抜きの話もきてたし、そう、ちょうどよかったんだ、本当に。
おれ?おれは、そりゃあ好きだよ。もちろんそういう意味でな。
ていうか好きじゃなきゃ葉巻の吸い殻の違いになんざ気づくわけねェだろ。ストーカーかっての、なあ、気色悪い。
……うん。まあ、あれだ。おれが消えれば大佐は心穏やかに過ごせるだろうし、そうしたら隊のやつらも八つ当たりで厳しい指導されなくていいし、おれだって本部で上を目指せるわけだし?みんなハッピーじゃん!友よ、おれたちの未来は輝いてるぜ!



「じゃあこれからも元気でな。あと伝えなくていいけど大佐によろしく!」

雑用の頃からの付き合いだった男がそう言い残して貼り付けたような笑顔で海軍本部へ異動した日からそれまで気にしたことのなかった葉巻の吸い殻がやけに目につくようになったのだが、残念ながらここに至るまで一度も噛み跡の付いていない吸い殻にはお目にかかれていない。
大佐が葉巻を吸う量は日を追うごとに増えているはずなのに不思議なことだ。
奴が見たという噛み跡のない葉巻とやらはもしかすると幻覚か何かだったのではないか。
そうだとすれば問題は頭か目か、いずれにせよいい医者のいる病院を勧めてやらなければ。
なぜか荒れているスモーカー大佐や最近の厳しすぎる訓練の愚痴も含め、せいぜい長電伝虫でもきめてやろう。