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書類仕事をするのが嫌でなんだかんだ理由をつけて外で暗躍していたら久々に帰ってきた本部での扱いがひどいことになっていた。
複数人で使っていたはずの事務室にあるのは書類の山に囲まれたおれの机だけで、他の奴らの机はと聞くと「書類が邪魔そうだったので他の部屋に移動させました」って。
放置してたおれが悪いのはわかってるけど、正直ここまで山が成長する前にちょっとくらい代わりに処理してくれててもよかったんじゃねェのと思う。
みんな薄情すぎるだろ。
いや、ほんと、おれが悪いのはわかってるんだけど!
そんなふうにぶちぶちと恨み言を漏らしながら紙束と戦い続け、ようやくひと段落ついたところで凝り固まった肩をサボに掴まれたおれは割と真剣に死を覚悟した。

「ドラゴンさんに甘やかすなって言われてるから書類は手伝えねェけど肩くらいなら揉んでやるよ」

そう言ってにこりと笑った爽やかな笑顔は素敵だし心遣いはありがたいがサボの握力で揉まれたら両肩粉砕されて腕がもぎ取れる未来しか見えない。
おれとサボの実力差では覇気で防御したって気休めだ。
しかし青ざめてすぐ拒否する間も無く開始されたマッサージは意外や意外、抜群の力加減でおれは思わず「えっ」と声を漏らした。

「どうしたアルバ、痛かったか?」
「いや、むしろ痛くないのが不思議っつーか…もがれると思ってたから…」
「もがねェよ!おれのことなんだと思ってんだ!?」

「だってセックスするときいっつも背中抉ってくるじゃねェか」と返すと途端強められた力にみしりと肩が鳴り「それはあんたが加減しないせいだろ…!」と詰られる。
顔は見えないが、きっと火傷の跡なんて気にならないくらい赤くなっているに違いない。

「……なんだよ」
「いや、別に」

さっさと仕事を終わらせて背中の傷痕を更新しようと思ったおれはもしかしたらドエムなのかもしれない。