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「飛行中にあんな冗談を言うなんて…!いったい何を考えているんだ!」

危うく死ぬところだったんだぞと血相を変えて怒鳴るペルが言う通り、あの高さから地面に叩きつけられていれば当然命はなかっただろう。
それでよかったのに、という言葉を飲み込んで「ごめん」と素直に謝罪する。
頼み込んで背中に乗せてもらった結果がこれでは、ペルとの遊覧飛行に二度目はなさそうだ。

「ッ大体、どうして突然あんな冗談」
「悪かったよ……あんなに動揺するとは思わなかったんだ」

冗談なんかじゃなかった。本当にお前が好きなんだ。冗談扱いされるくらいなら死んだほうがマシだった。
言いたいことが喉まで出かけては音にならないまま消えていく。
空中に投げ出される前、告白の直後にペルの首元の羽根がぶわりと逆立ったのを確かに感じた。
生理的な嫌悪を抱いた相手をそれでも懸命に助けてくれたというのに、これ以上気持ちを押し付けることなどできるはずもない。

「本当にごめん。二度と言わないって誓うから、それで許してくれないか?」

苦笑するおれにペルは顔を歪め、何も言わずに背を向けた。
ああ、死んでしまいたい。