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ごめんなさい本当にごめんなさい気づいたら好きになってたんで話そうにも話せないんです別に船長の口からそのときのことが聞きたいとかそんな他意はないんですでもこのままじゃ出られないからどうか船長お願いします役に立てなくてすみませんごめんなさいと下手に出まくって半分キレかけてる船長から了承をもぎ取ったときの感動といったら、本当にこの部屋には感謝してもしきれない。
だって船長ってば、おれのどこに惚れてくれたのか全然わかんねェんだもん。
「付き合え」って向こうから告白してきてくれたぐらいだからどこかしら気に入ってくれたんだとは思うけど、おれに跳びぬけた長所なんてないし、むしろ迷惑かけて怒らせることのが多いしなァ。
早くあの告白の理由を知りたくてじっと期待を込めた目で見つめてみる。
と、視線がうるさいと言わんばかりに帽子のつばを下げた船長がため息交じりに口を開いた。

「……絆されたんだよ」
「へ?」
「お前が酒飲んで酔う度に部屋に押しかけてきて、殴ってもバラしても床這いずって近づいてきて好きだの愛してるだの騒ぎ続けるもんだから絆されたんだ」

帽子の影越しにジロリと睨みつけられて明かされる自らの悪癖。
確かに酔うと記憶が無くなるし酒飲んだ日の翌日とかなぜか毎回船長室の前に転がってたけど。
おいマジかよ、おれ、そんなことしてたの?
頭を抱えて羞恥に悶え、しかし開く様子のない扉に気づき慌てて船長を見る。
おれの視線に今度こそ忌々しそうに舌打ちをした船長が「……その前から、やたらと構ってくるから、気にはしてた」と聞き取りづらい小さな声で語り、そこでようやく扉は開いた。

お互い恥ずかしすぎてヤバい。