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「おはようボルサリーノ、愛してるぞ」
「オォー、本当に懲りないねェ〜……わっしは嫌いだよォ〜」

殺伐とした、あるいはほのぼのとしたやりとりは数年前何をとち狂ったのか公衆の面前で告白してきたアルバをボルサリーノがこっ酷くふったときから始まったものだ。
ふってもふってもしつこく声をかけてくるものだから様式美みたくなってしまった一連の流れは当然ボルサリーノの望むところではない。
だからボルサリーノがアルバの次の一言に目を見開いたのは、別にその言葉に何かを感じてのことではなかった。
ただ、毎朝「嫌いだ」と拒絶を口にするボルサリーノに決まって「それでもおれは好きだ」と返してくるアルバが流れを変えたことに少しばかり動揺しただけ。
それだけだ。

「そうか、おれも嫌いだよ」

笑顔のままさらりとそう言ってのけたアルバに一瞬固まって、直後今日が四月一日だということを思い出し唇を持ち上げる。
今日はエイプリルフール。
つまり先程のアルバの言葉は単なるでまかせなのだろう。
まったく、ボルサリーノを騙すつもりなら、せめてもう少し考えて嘘をつけばいいものを。

「くだらねェ嘘つくんじゃないよォ、この嘘つきめェ〜」

そう鼻で笑ったボルサリーノにアルバがなぜか勝ち誇ったような笑みを浮かべ、どっちが、と喉を鳴らす。

「鏡見てみろよ、全然笑えてねェぞ」なんて、そんな馬鹿な。