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*死ネタ

「おれを愛してるなら死ね」
「初めてのおねだりがそれとかさすがクロコダイル、ハードル高いわァ」

軽い言葉で冗談として片付けようとするアルバに「本気だ」と告げればとぼけたような丸い目がさらに丸く見開かれた。
本気だ。
本気になってしまったのだ。
この、おれが。
だからおれを愛してるなら今すぐ死ね。
散々囁いた愛の言葉が嘘だというなら殺してやる。
テメェに生死の選択の余地はないと低い声で威圧するとアルバは暫くの間の後肩を落として息を吐いた。

「そりゃあ、おれの長年の努力が実って相思相愛になったってことでいいんだな?」
「ああ」
「存在が弱味になるくらいおれのこと好きになっちゃった?」
「……ああ、忌々しいことにな」

ならしかたないかと苦笑しておれに口づけたアルバは、本当に馬鹿な男だ。
荒事を嗜む男にしては幾分華奢で滑らかなアルバの手。
その両手がおれの右手を包み込み、水を奪われ、カラカラになる。
アルバがどんどん砂になっていく。

「浮気すんじゃねェぞ、クロコダイル」

当然、という独り言に返事はなかった。