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好奇心は猫を殺すというがこの場合殺されるのはきっとおれの方なんだろう。
正気を失っているとしか思えないルッチのあられもない姿に絶望の眼差しを送りながら、走馬灯のようにこうなった経緯を思い出す。
酒を飲むたび一方的に潰されるのが悔しくて、なんとかルッチの酔ったところを見られないものかと考えたとき思い浮かんだのが昔飼っていた猫のことだ。
猫にとってマタタビは酒のようなもの。
それならレオパルドのゾオン系であるルッチだって酒には酔わなくてもマタタビになら酔うかもしれない。
十中八九無駄だとは思うがもし効いたら面白いよなァ、なんて軽い気持ちでベッドにマタタビの粉を振りまいて「いい酒が手に入ったから一緒に飲もう」と部屋に誘ったらこのざまだ。
扉を開けた瞬間匂いに気づいて警戒したルッチだったが抗えきれずベッドに登って以来ずっと恍惚状態でシーツに爪を立て枕に額を擦り付け涎を垂らして身悶えている。
信じがたいことに我らが殺戮兵器たる化け猫殿にもマタタビは有効らしい。
ゾオン系のモデル再現率恐るべし。
というか万が一マタタビが効いたとしてもゴロゴロ喉鳴らしてベッドに転がる程度だと思ってたんだよおれは。
それなのになんでこんなエロい感じになってんのルッチ。
マタタビってそういうもんだったの?
酒じゃなくて媚薬だったの?
息を荒げながら誘うように身体をくねらせるルッチを見ているとどうせ殺されるならって捨て鉢な気分になってきたんだけど、ほんと、どうしようねこれ。