「あー……率直に聞くが、お前、エースのことどう思う?」 部屋に呼び出されてから延々とあのさァ、お前さァと言い渋っていたサッチの話の内容におれは目を見開いた。 思い出すのは以前聞いてしまったナース達の『新人のあの子どうおもう〜?』という会話。 どう思うって聞いておきながらそっから繋がるの絶対悪口じゃないですかやだー。 「……船に来たときは若いのに随分荒んでやがると思ったが慣れるとかわいいもんだ。遠くからでもぶんぶん手ェ振りながら駆け寄ってくるし、サッチの作ったメシ『うまいから喰ってみろ』って持ってきたりするしな。くるくる表情が変わるのは見てて楽しい。多少無鉄砲の気があるところが心配だが、それもまっすぐで裏表がないからこそだろう」 あとは頭が丁度撫でやすいところにあるとか髪が柔らかいけどコシがあって気持ちいいとかそばかすがチャーミングだとか。 新人いじめなんてカッコ悪いぞと牽制するためとりあえず手当たり次第に褒めまくっていると突然サッチのクローゼットから炎が噴き出た。 「おいサッチ発火物こんなとこにしまうなよ危ねェな」 「火ィつけたのはお前だろうが!」 責任とってやれってなんの話だ、意味がわからん。 |