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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「で、お前ら何があった」

呼び出された一室。
決して疑問の響きではなく揺るぎない確信を持って放たれたドフラミンゴの言葉に、瞬間、グラディウスは心臓が握り潰されたような鈍く鋭い感覚を覚えた。
緊張と恐怖に駆られ一度は止まったかとすら思われた心臓がバクバクと激しく跳ね始める。
その痛みにハ、と浅く息を吐き無意識にこぶしを握り締めるが、直視を避けていた現実を眼前に突きつけられてはそんな程度の誤魔化しで冷静になどなれるはずもない。
何もないのだと思いたかった。
知らぬふりで戸惑っていればいずれそのうち元に戻るのだと、そう思っていたかった。
けれどグラディウスにとってドフラミンゴの言うことは絶対だ。
だからドフラミンゴが『グラディウスとアルバの間に何かがあった』という絶対的な『真実』を前提に何があったのかと問うのなら、グラディウスは無理矢理にでも現実に目を向け、それに答えなければならない。
心臓がカウントを取るようにどくん、どくんと大きく脈打つ。
好きな相手に触れたくなるのは当然だというアルバの言葉と、触れられなくなって以来ずっと目を逸らしてきた現実。

アルバは、もう、自分のことをーー





「…………………わ、からない、です」

頭の中で形になりかけたそれへ蓋をするように引きつった喉から声を絞り出す。
床に落とした視線の片隅でドフラミンゴの口元がピクリと動いたのが見えた。
失望されたのかと思うと全身の血が氷水にでも変わったような恐ろしい心地になる。
それでも、これだけはどうしても、言葉にすることはできなかった。

「わからない……わからないんです、申し訳ありません、おれには何もわからない」

わからない、否、知りたくない。
握りしめた拳を額に当てて壊れたように繰り返すグラディウスに、しかしドフラミンゴは容赦なく「なら今すぐ話し合ってこい」と新たな命令を下した。
グラディウスにとってドフラミンゴの言葉は絶対だ。
それは例えば、死ねと言われれば死ぬ程度には。
話し合いなど自決に比べれば軽いもので、しかし、もし唐突に死ねと命じられたとしてもグラディウスがここまで動揺することはなかっただろう。

「フフッ、そんなに怯えるな……あいつがお前を嫌うなんざ、絶対にあり得ねェ」

神にも等しいドフラミンゴの言葉が、グラディウスの頭の中で初めて空虚に響いた。