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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「大将、甘いものはお好きですか?」
「……今更じゃのう」
「はい、今更ですけど少し確認しておきたくて」

へらりと笑ってそう言うと大将は少し考える素振りをみせたあと椅子から立ち上がっておれに背を向けた。
不機嫌そうだった表情が見えなくなり、かわりに嬉しげにぱたついている尻尾が丸見えになる。
尻尾を愛でるには最高のアングルなのだが、できれば今回は顔を見て話がしたい。
不躾を承知で正面に回り込むとサカズキ大将がわずかながら逃げるように身体を動かした。
嫌がられてるみたいでちょっとへこむ。

「甘いもの、お好きですか」
「……別に好いとりゃァせんと何度も言うたはずじゃ」
「そうですね。なら茶はどうです?甘い菓子にあわせて渋めのものをご用意してるんですが」
「茶の味なんぞ一々気にしちょらんわ」
「はは、大将らしいですね」

一つ確認するごとに眉間の皺を深めていくサカズキ大将に、それでも自分が尻尾のために意識して変えた行動の是非を尋ね続ける。
いくつかの質問に対する答えは全てに色好いとは言えないものだ。
このぶんではおそらく、最後の質問も望み薄だろう。

「そうですか……じゃあ、おれのことは?」
「……好かれとると思うちょるんか」

諦め混じりの勇気を振り絞って一番の疑問を投げかけたおれに、到底マグマ人間とは思えないような冷たい声色の答えが返ってきた。

ああ、そうでしょうね。
知ってましたよちくしょうめ。