「誕生日おめでとう、おれのドフィ」 「フッフッフ!今年もまた赤薔薇か。毎年毎年よくやるぜ」 「ドレスローザの国王に相応しい贈り物だろう。それにほら、ドフィには赤い薔薇がよく似合う」 「そりゃあ結構だが……今年の誕生日は『おれに似合う花』がやけに少ないじゃねェか。なァ、アルバ?」 「ああ、他は全部処分したよ。今まで我慢してたが、ドフィに愛の花を贈るのはおれだけで充分だ」 「フフッ、なんだ嫉妬か?」 「当然だろう、お前はおれのものなんだから」 「……誰がお前のもんだ」 「お前が、だよ。おれのドフィ」 そう言うと同時に唇が喰われる。 どちらが先に顔を寄せたのかわからないまま何度も何度も貪るようにキスをした。 赤は愛、白は尊敬、黄色は友情。 ああ、黄色の薔薇の花言葉には薄れゆく愛だとか、笑って別れましょうなんて場合もあるんだよ。 間違ってもそんなふうには使いたくないな。 ドフィにはやっぱり赤い薔薇が一番だ。 鮮明だったはずのアルバの笑顔が、滲んで消えた。 |