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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「ベビー5?」

あと一時間もすれば日付も変わろうかというころ城へ戻ったおれは、暗い廊下、自室の前に佇む影に気づいて眉を顰めた。
街はそろそろ人間とオモチャが別れて眠りにつくはずだが酒の席なら一番の盛り上がりをみせる時間帯だ。
それなのにわざわざ抜け出してきたのかと怪訝に思いながら声をかけると、どうやらドフィが途中で体調不良を訴えたため宴は早めの解散となったらしい。
体調不良なんてここ何年もなかったこと。
誕生日の宴を終らせてまでとなると余程辛かったのだろう。
自分の感情整理にかまけてドフィの具合が悪いことに気づけなかったのが不甲斐なくてしかたない。
ドフィの容態が気がかりで「もう医者には診せたのか」と尋ねると、ベビー5に「その前に一つ聞いてもいいかしら」と真剣な顔で質問を返された。

「アルバは若様の恋人じゃないのよね」
「……ああ、そうだ」
「じゃあもし若様があなたを恋人にしたいと望んだら、あなたはそれをどう思うの?」

そんなもの、答えは一つだ。
こんなときに人の傷を抉るなんて趣味が悪いと思いつつ、どこか縋るような瞳に圧されて素直に答えるとベビー5は心底ほっとしたといったふうに息を吐いた。

「ならよかった。若様のことが心配なら今からでも様子を見に行きなさい」
「それはおれが行っても負担にならない程度には大丈夫という解釈でいいんだな、ベビー5」
「そうね。でもこのままじゃ若様の調子が悪くなる一方なのは間違いないわ……あなたに捨てられたと思い込んで」

そう話すベビー5の表情は何やらとても疲れているように見える。
また自分のことを後回しにして人の頼みを聞いていたのかと呆れたおれは次の瞬間投下された爆弾発言に気が付いて目を見開いた。
いやまさか、聞き違いだろう。
落ち着けおれ。
ドフィとおれは恋人じゃないし、おれがドフィのものなのはおれが望んでそうなっているからでだから捨てるって表現が正しいとしたらそれはおれじゃなくてドフィがおれを、

「浮気してるんじゃないかって疑ってたわよ」
「は、?……うわ、き……はァ!?」
「あら、あなたそんな大きな声出せたのね」

どうでもいいところに反応しているベビー5の両肩を加減もせず思いきり掴む。
今のおれは間違いなく顔面蒼白だ。
どうしよう、おれの知らないところで何か大変なことが起きている気がする。