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ベビー5は激しい怒りの後の困惑から抜け出せずにいた。
アルバとドフラミンゴが恋人同士であるということはファミリー内外における周知の事実だ。
女を侍らせ自由に行動するドフラミンゴに恋人がいるということは信じがたいが、そこに人目を憚らず「おれのドフィ」と甘く囁くアルバを添えれば誰もが二人の関係を理解する。
束縛や強制を嫌い、なにより高いプライドを持つドフラミンゴは『おれの』などと言われて相手を許すほど寛容な男ではない。
アルバが生きて存在することこそドフラミンゴのアルバに対する感情の証明だった。
それなのにある日突然アルバが「おれのドフィ」と言わなくなり、ドフラミンゴの機嫌が目に見えて悪くなり、部屋まで滅茶苦茶にしてようやく仲直りしたかと思ったら今度はアルバがドフラミンゴを「若」と呼ぶようになり。
更に「若様の態度が悪いのも確かだけど悲しんでいる恋人に追い打ちをかけるなんて酷すぎる」といきり立ったベビー5に、アルバはドフラミンゴとは恋人関係ではないと告げた。
そのあとすぐやってきたドフラミンゴにアルバの身辺調査を依頼され、頼られる喜びの傍らまさか浮気して一方的に関係を切ったのかと再度怒りを爆発させていたら結果は悉くシロ。
つい最近まで見ていた通りアルバはドフラミンゴ以外の人間に興味がないようだし、周囲もまたドフラミンゴの恋人として知られているアルバにちょっかいをかけるほど愚かではなかったのだ。
そもそもアルバの性格からして気まぐれに心変わりするようなタイプではないから浮気というのも半信半疑ではあったけれど、ならどうしてこんなことに。

「……いったい、どういうことなのかしら」

結果がどうであれ任された仕事は最後までやり遂げる。
ドフラミンゴへの報告のため、ベビー5は疑問符につかれたまま足早に宮殿への帰路を進んだ。