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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「ドフィ、朝だ。そろそろ起きる時間だよ」

大きなベッドのなか、布団に埋もれるようにして眠るドフィに声をかける。
ドフィを起こすのは告白してドフィのものになったときから続く日課のようなものだ。
別々に眠っても同じベッドで目覚めても例え任務で遠方にいたとしてもドフィを起こすのはおれの役目で、寝起きという無防備な状態を晒してくれるのはおれが恋人だからだと思っていたが実際のところはどうなのだろう。
恋人という前提が間違っていただけにこのモーニングコールについても考え直すべきなのかもしれない。
今までやめろと言われていないということは嫌がられてはいないのだろうか。
いや、しかしそれこそおれが思い込みでそう感じているだけという可能性もある。
自分勝手な行動でドフィの好感度をどんどん下げていっているとしたらとんでもないことだ。
先程からもぞもぞ動きはするものの中身が出てくる様子はない布団の山。
もしかしたらこのまま寝かせておいた方がいいのかもしれないと逡巡していると、ドフィの動きがピタリと止まった。
二度寝したのかと思ったが、呼吸からして目を覚ましてはいるらしい。
こちら伺っているような気配に手を伸ばしかけて、やめた。
以前であれば『おれのドフィ』を抱き寄せたりキスをしたりしたとことだが自分の立場を理解してからというもの過剰なスキンシップはしないよう心掛けているのだ。
ドフィから望まれれば身体を重ねはするので、今のおれは実質セックスフレンドのようなものなのだと思う。
セフレの分際ででしゃばった真似をしてドフィに重いと思われたくはない。

「……ドフィ、おれが起こしに来るのは迷惑か?」

ぽつりと呟いた瞬間、布団から腕が伸びてきて空中で止まったままだったおれの手を掴んだ。
驚いて硬直したおれを捉える寝起きとは思えないほどしっかりとした視線に心臓がバクバクと音をたてる。
とりあえず「おはよう」と言ってはみたけれど、不機嫌そうなドフィから返事はなかった。
どうしよう、モーニングコールはやっぱりやめたほうがいいのだろうか。