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【OP】ツンデレマルコが恋人にデレる前に記憶を失ったことで発生する修羅場の話

敵にヘッドショットを決められすぐに再生して事なきをえたものの恋人である主人公の記憶だけなくしてしまったツンデレマルコとごく最近決死の覚悟で告白して奇跡的に恋人になれたばかりだったのでツンデレのツン部分しか知らず、記憶を失くしたマルコに対し「ああ、付き合えたのはなにかの間違いで正しい状態に戻ったんだな」と運命の修正力的なものを感じていろいろと諦めてしまった主人公。

マルコのそれまでの態度が態度だったから主人公はこれを機に付き合ってた事実をなかったことにしようとするし記憶を失ったマルコは大切なものがなくなったはずなのになにを大切に思っていたかもわからないことで情緒不安定になる。
主人公について記憶が欠けているのはわかってるし「こいつが違和感の原因なんじゃないか」って感覚はあるのに周りの誰に聞いても「二人は仲良くなかった」「笑いあってるところを見たことがない」「◯が家族として歩み寄ろうとしてもお前はずっとピリピリしてた」って情報しか出てこない。
そんなはずないって焦燥感からイライラしながら主人公本人に詰め寄ったら「好かれてはいなかったけど喧嘩したことはなかったし、どんな関係って当てはめるほどの関わりもなかったよ」って返されて呆然とする。
そんなはずない。そんなはずないのになんでそう思うのかわからない。もっと違う、感情のともなったなにかを聞きたいのに壁をつくられて踏み込めない。踏み込むための足がかりすら得られない。
そうしてもやもやしてくすぶってそれでも時間は流れていって、主人公と娼婦らしき女が楽しそうにおしゃべりしてるの見た瞬間カッとなって恐慌状態に陥ってわめきちらす事件が起きてからが本番だよ!

***

付き合う前に記憶を失くしてればここまでひどくならなかったんだろうけど、憶えていないとはいえ間違いなく一度は手にした『自分に与えられるはずだった未来』が目の前でかっさらわれようとしてるとなると話は別。
そいつと笑いあうのも隣に立つのも体に触れるのも抱かれるのも全部全部おれの権利だ。おれが得た、おれだけが許されたもののはずだ。
欠けたものへの執着が暴走する。灼熱の汚泥のような汚い感情は上手く言葉にならなくて、◯の襟首を掴み上げて「なんで」と繰り返すことしかできなかった。
どうしてそんな反応をするのかわからないと言わんばかりの困惑した顔が憎くて憎くてたまらない。
集まってきた家族に引き離されてその場は一旦おさまったものの目を離したらまた主人公と女がああなるかもしれないって情緒不安定が加速して別段仲がいいわけでもなかったらしい男を熱いのか冷たいのかわからない目でじっと監視する病みマルコが爆誕する。
付き合ってるときですら目を合わせてもらえなかったのになんでいまになってこんな熱視線を送られてるのかわからなくて主人公は困惑するしかない。それがまた焦燥に火をつける悪循環。
周りも気を遣って見守ってたけどこいつらもうダメだ。二人だけの力じゃどう転んでも悪いほうにしか行かねェや。

***

ここから先は唯一主人公とマルコが恋人だったことを知ってるサッチが『主人公を説得して話し合いの機会をもたせる』か『主人公のあずかり知らぬところでマルコに「お前らは本当は恋人だった」と教える』かでルートが変わる。
両ルート共通でマルコの記憶は戻らず几帳面につけられた日記の力でハッピーエンドにはなるけど後者だとマルコが主人公を殺そうとしてド修羅場になる。
弄ばれたと思って被害者面してるわけだけど天下の白ひげ海賊団一番隊隊長がなりふり構わず殺しにかかってくるの最高に怖いぞ。

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