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【水星の魔女】グエル幸せになれガチ勢

最終回後、グエルの成功と幸せだけを願い自分の気持ちは二の次三の次で支え続けた男主に「グエルは宇宙一格好いいのに女運ないなぁ。次のお嫁さん候補は決まってんの?」って聞かれて「お前にする」って返すグエル

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軽いのか重いのかわからないとにかく綺麗ななにかに適当に友情とラベルを貼ったあけっぴろげな好意をこれまで散々見て見ぬふりしてきたのに政略結婚が潰れたのと失恋が重なったタイミングでその手をとるという最悪の甘えを『でもこの甘えは許されるし、実現したら二人とも幸せになるからなにも問題ない』って理解して口にするグエル、ものすごくたちの悪い方向に成長した。
甘えられると判断した甘えたい人相手にはちゃんと甘えられるようになったってだけの話なんだけど振り切れかたがえぐすぎて夢主には「自暴自棄になってないか?大丈夫?」ってめちゃくちゃ心配される。心外。
夢主は少しむくれたグエルに「嬉しいだろ?嬉しいよな?だったら余計なこと言わずに話を進めればいいんだよ、お人よし」ってなじられて、でも最後お人よしって言ったときに浮かんだ笑みが全然無理してる感じじゃない自然なものだったから悩んだ末に婚約の打診を受け入れた。
一番大切なのはグエルが幸せになることだから全部我慢してたけど他ならぬグエルが俺で幸せになれるって言うならもらう。好きだからね。

ちなみにこの男主ラウダからわりと嫌われてた自覚があるので返事をする前に一応おうかがいをたてたら「おめでとう。兄さんを離すなよ」って即答されて宇宙猫になる。
成長したとはいえ兄弟そろって方針転換えぐい。

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水星女やミオリネのことがあって「あいつが一番マシだった」ってなったんだよ。あと実はラウダの初恋は初めて参加したパーティーで兄さんと一緒に迷子になって知らん大人にぶつかって怒鳴られてたところを助けてくれたお前。

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なお夢主はいまにも泣きだしそうな弟をかばって怒鳴りちらしてる大人との間に割って入ったグエル少年が自分も震えながらそれでも気丈に振る舞ってるの見て惚れた。世の中うまくいかないことばっかりだ。

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グエルはプロポーズ時点で明確に夢主に恋してるわけではないんだけど『自分から離れていったとして、スレッタもミオリネも幸せになってほしいと祝福できるけど夢主に対してだけは絶対にそうできない。不幸になって後悔して俺が間違ってたと泣いて縋って帰ってこいとしか思えない』って執着はある。
グエルが明確に夢主を意識するのは婚約後セックスについて話し合って自分相手じゃ勃たないんじゃないかって確認した際「これまでどんだけ我慢してたと思ってんだ💢💢勃つに決まってんだろ💢💢」ってものすごく生々しい雄の欲を見せつけられたとき。
これまで常に笑顔でフラワーシャワー撒き続けるような優しい愛情表現しか見せられてこなかったのでそんな男だと思ってなかったし自分が心臓破裂しそうなくらいその事実を嬉しく感じるとも思ってなかった。

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グエルが負けて赤髪の少女を見る目に光が宿った瞬間、ああ、これが正解だったのかと思った。それと同時にどう足掻いても自分には出せない正解だった、とも。
俺から見たグエルは頑張りすぎているほどに頑張っていた。才能があって努力家で社名を背負えるだけの実力もあって、それなのに満たされないといつもカラカラに乾いていた。
俺は。
俺はただ、グエルに幸せになってほしかった。
だから褒めるときは言葉を尽くしたし「あんまり頑張りすぎるな」と心配もした。
父に認められたい、そのためにミオリネが必要だと考える彼のためにいつだって協力は惜しまなかった。政略結婚から始まる関係でも気持ちを通わせることができればとミオリネにグエルのいいところを吹き込んだりもした。これはまあ「ノロケてんじゃないわよ」と嫌悪丸出しの顔で一蹴されてしまったが。
ーーわかっていたことだが、俺のそういったあれこれはグエルにまったく届いていなかった。
グエルの親友だというのは俺の自称で、グエルはそうは思っていない。
なにせ俺はジェターク社の子会社の幹部の息子。なにを言っても、どう動いても、グエルはそこに俺たちの親の力関係を見てしまう。
俺が届けたかった言葉を届けられるのは、グエルの背景をなにも知らないがゆえにグエルそのものを見ていると確信でき、なおかつグエルが自身の努力で手に入れたMSでの戦闘技術でグエルを凌駕する実力の持ち主だけだった。
自称親友の腰巾着、家の関係でMSもある程度扱えるとはいえ経営戦略科でありパイロットとしての腕はグエルと比べるまでもない俺には、はなから資格がなかったのだ。
心を潤わせてやりたいと思っても肝心の水を持っていなかった。俺にできなかったことを、あの少女が成してくれた。
むなしさと喜び、どちらが大きいのか自分でもよくわからなかったがどちらを優先して行動するかなら答えは明白だった。
明日にでももう一度、グエルの幸せを問いにいこう。
父親やジェターク社を置いてでも水星から来た赤毛の少女、スレッタ・マーキュリーを手に入れたいというのなら、俺はそれを応援する。
グエルが幸せになってくれるならそれ以上に喜ばしいことはないのだから。

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↑ここで夢主が『グエルの幸せのためにスレッタとの仲を応援する』姿勢を見せた結果、これまで『グエルとミオリネの間を取り持とうとしていた』のも親の会社云々関係なくグエルの幸せを願っての行動だったことが証明され、グエルはようやく長年信じきれなかった夢主の好意をすとんと胸に落とすことができた。
でもこの時点で好きなのはスレッタだしその後の流れもアニメの通り。
すべて終わって自分で自分の心に水撒けるくらいに成長して健全になった精神で改めて考えた結果「あいつのことは手放せないな」ってなる。グエルに振り回されてるように見えてある意味自己犠牲をものともしない尽くし系夢主の粘り勝ち。

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