×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

【OP】微知識有りトリップ主人公によるトラファルガー・ローのキャラ考察

原作知識あるにはあるけどエニエスロビーぐらいまでしか読んでないし内容も細部までは憶えてないって程度の微知識主人公が原作開始数年前にトリップ、ローに気に入られて勧誘(夢主視点では脅しに近い)を受け仲間になるもハートの海賊団がルフィの敵なのか味方なのかわからなくて戦々恐々とする話。

***

 近頃は毎日毎日同じことを考えている。おれの船長になってしまったトラファルガー・ローという男の漫画における立ち位置についてだ。
 船長はめちゃくちゃ強い。強いけどその強さに安心なんてできやしない。『主人公』の敵だったらそんな強さなんて関係ないからだ。
 だって、クロコダイルとかエネルとかルッチとか、理不尽な強い敵でも『主人公』には勝てないんだもん。そんでもし船長が『主人公』の敵だったらその時点でハートの海賊団クルーであるおれも詰み。努力友情勝利理不尽。
 ワンチャン原作に出てこないただのモブって可能性ないかなァって思ったけどこのキャラの濃さでモブとか絶対ないわ。どの角度から見てもイケメン。こんなん絶対女人気すごいだろ。人気投票一位待ったなしですありがとうございました。

「……なんだ、じろじろ見やがって」
「スンマセン魅入ってました」

 美形税だと思ってここはひとつと手を合わせて謝ると船長はなんとも言えない表情をした後でわざと聞かせるように大きく息を吐いた。

「お前は軽すぎる」
「重く言われても困るでしょ」
「決めるのはおれだ」
「あっはははそうですね〜スンマセン」

 船長が『主人公』の敵だったら自分はどうするのか。
 答えが出せないうちは踏み込めない。踏み込ませてあげられない。命捧げる覚悟がないと恋もできないなんてこの世界はクソだ。
 ほんと、船長が麦わら一味の味方なら何の問題もないんだけど。

「船長〜海賊同士って友達になれたりします〜?」
「殺し合いを遊びだと思えるならな」
「うわこっわ……」

 この人どう考えても『主人公』と努力友情勝利できる気がしないんだけどどうしようね。とりあえず地道に麦わら一味のステマでもして、好感度上げがんばるかァ。

***

Q.自分に対してはなんか壁を感じるお気に入りの男が他の海賊団の船長を褒めまくってたらなにを感じるでしょう

A.嫉妬

***

シャボンディ時点のローさんはどう見てもやべー敵なのでルフィさんとの初顔合わせに失敗したことを知った主人公は普通に未来を悲観して泣くしローはなんで泣くのかわかんなくて焦って怒る。
一応共闘したってことは絶対的な敵じゃなくてスモーカーみたいなライバルポジなんだと思うけどローが麦わらの一味に加入するキャラじゃないってことはつまりハートの海賊団クルーはたとえばバラティエやココヤシ村なんかの『主人公の仲間の周囲の人々』みたいに死なずに済む存在じゃないってこと。
たぶん原作の大規模イベントに巻き込まれたら船長や他の奴らはともかくおれは死ぬわ。だって元一般人だもの。船長への気持ちを曖昧にしといてよかった。いまならまだ我が身かわいさに逃げられる。大丈夫。船長は死なない。おれがいなくても問題ない。ちょっとした恋を捨てさえすれば全部丸く収まる話。

***

「どこに行くつもりだ?」

***

時期が悪かったですね。
散々褒めちぎってた男と出会った直後ですからね。
船降りるだけでも許されないことなのにその理由が他の男を追いかけるため(推測)だなんて許せるはずありませんよね。

***

この主人公はあくまで『ローが死なない(ワンピースではメインキャラが死なない)』ことを前提に自分の保身をはかってるのでシャボンディでこじれて一旦話を保留にしてる間に頂上戦争でエースが死に、『ワンピースの世界なのに主人公の兄貴分というメインキャラが死んだ』『ローの命も保障されてない』ことを知ると一転して過保護になるしローはその変化の意味がわからず油断させて逃げるための演技じゃないかと思って疑心暗鬼になる。
お互いがお互いを監視するような状況。
どこまでいっても噛み合わない。

prevnext