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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

【呪術】優しくて気遣いができるだけで察しがいいわけではない男と色々よくわからないまま慣らされてしまって被害面する五条悟

特別であるがゆえの甘やかしや我儘を我儘と思わず人に押し付けるがゆえの結果的な甘やかしは日常だったけど『心配』とか『保護』とか『優しさ』由来の甘やかしとは無縁だった五条が「えっ六眼ってそんなしんどいの……?見えすぎて……脳に……負担……?えっ絶対めちゃくちゃしんどいやつじゃん……」ってなった同級生の男主に突然冷えピタ貼られたり頭マッサージされたり飴玉放り込まれたりして「?????」ってなって損得勘定もなければ強制してもいない突発的な甘やかしという現象を理解できずに「?????」ってなったまま「ちょっとしんどいかも」とか「目が疲れた」とかこぼして『こう言えばなんか知らないけど優しくしてもらえて、なんか知らないけど自分はそれがとても嬉しいかもしれない』と甘やかされる条件やら自分の感情やらを手探りして最終的にあざとさMAXなべったべたのあまえんぼが出来上がるという話。

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常時目と頭が重くて痛くて若干吐き気があるのは間違いないんだけど生まれてこのかたずっとそうだったから本人にそれが異常だって自覚はないし周りもそんなことで心配してくれるようなまともな情の存在する環境じゃなかったので主人公が甘やかしてくる理由の本質(自分の状態のひどさ)を理解できない五条、覚醒して反転術式使えるようになって「は〜よかったよかったそれじゃあもう大丈夫だな」って主人公が手を離したら「な゛ん゛て゛!?💢💢」って地団駄踏んで怒りだす。主人公は「なんで!?!?」ってなる。
大丈夫になってよかったじゃんね。

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甘い男の甘やかしに『脳への負担が心配だから』って前提条件があったなんて知らないし『負担なく過ごせるようになったら終わり』なんてのも知らなかった。
小銭を入れてボタンを押したらジュースが出てくる自動販売機みたいに「しんどい」「つかれた」って単語を口にすれば甘やかしという反応が返ってくる、そういうものだとしか思ってなかった。
しんどいも疲れたも口先ばっかりで五条本人は脳へのダメージ蓄積による不調を気にも留めていなかったので、向こうも口実にしてるだけだと思ってた。
それが嬉しいと思ってた。

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「集中力が必要なゲームを長時間プレイしたあとのあの頭痛とか吐き気のさらにひどいやつがデフォルトとか可哀想すぎるしすっごい心配」っていうくだらなくも真っ当な共感と同情から優しくしてただけの主人公は本当にただ優しいだけで察しが良くはないのでギャンギャン喚く五条の怒りの原因をまったく理解できない。
やけに懐かれたな〜とは思ってたけどなんで五条用の飴を用意しなくなっただけでそんな『絶望』みたいな顔されなきゃならんの。

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「悟、いままで黙ってたけど実はナマエは『呪霊を食べたあと口直しがあったほうがいいだろうから』って私用のスッキリ系の飴も持ち歩いてるんだよ」
「なんで!?💢💢💢💢」
「なんで!?!?」
浮気を暴露するような言い方する夏油(冗談)と完璧に浮気を責めてる調子の五条(ガチギレ)を前にひたすらおろおろする主人公。
とりあえず自分用のミルキーをあげたらそうじゃないって怒られた。けどミルキーは返してもらえなかったしなんなら袋ごと奪われた。悲しい。

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「理由なしに甘やかしてもらいたいならナマエにハッキリそう伝えなよ」

子供に諭すような口調で言われてムッとして黙り込んじゃうものの『言うことをきかせる形で優しくされても意味がない』と思えるようになっただけ進歩はしてる。
ただ新しく芽生えた自分の感情を詳細に言語化したり既存の枠に当てはまるのがクソほど苦手(というかめんどくさくなって途中で考えるのを投げ出してしまう)なタイプなので『どうしてそう思うのか』まではなかなか辿り着けない。
たったの二文字で表すことができるお手軽な感情なのにね。

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高専時代はなんやかんやすれ違いもあるけど恋を自覚したらあとは押せ押せなので原作開始時点の五条はあのバグってるとしか思えない距離感をさらにバグらせてべったべたしてるし主人公に優しさを向けられた人相手にわかりやすく威嚇してるし「優しくするのは僕だけにしてって言ってるでしょ」ってわざわざ腰かがめて上目遣いでわがまま言ってるし口の中にヴェルタースオリジナルつっこまれてキスされて「こういうことするのは悟にだけだから我慢して」って言われてる。
つまりハッピーエンドってこと。お幸せに。

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