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【呪術】眠れる獅子を舐めてかかって叩き起こしてしまう加茂家嫡男

自分が好意を示したところで両思いになんてなれるはずがないんだから別に問題ないんじゃないかという“気づき”のもと思う存分恋に浮かれて(加茂くんの立場を考えてわざわざ)眠ってくれてる獅子の上でかわいくタップダンスを踊る加茂憲紀。
「お前が煽ったのが悪い」ってセリフは大嫌いなんだけどこの加茂くんに関してはマジでお前が悪い。

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有用な術式と豊富な呪力を持ってたがために住み込みの修行という名の身売りで加茂にやってきた遠縁の男の子(嫡男様の二つ年下)は加茂くん8さいを見たとき「めちゃくちゃかわいい子がいる……!」って親に売られて以来初めてテンションが上がったし、それが加茂家の嫡男様だと気づいたときは男だってことより『嫡男様』ということにショックを受けた。
向こうで粗相をしないようにといろいろ教えこまれたときお母さんに嫡男ってなにって聞いたら「いずれおよめさんをむかえてそうでんのじゅつしきをもった子をつくるやくめをもったえらい人よ」って返されたのを憶えてたので。
諦めざるを得ない初恋の人をどうしても諦められず、それでもこの想いは彼の進む道の邪魔にしかならないからって無理矢理気持ちを封じ込めて高専出たら加茂と縁を切って海外で活動しようと決意したところに突然の獅子上タップダンス。
手料理やらデートの誘いやら拙い色仕掛けやらわっかりやすい好意を毎日のように浴びせかけられ挙句の果てに夜這いじみたことまでされて主人公はいい加減キレた。
こちとら健全な男子高校生だぞふざけんな。

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加茂くんからしてみたら想いは告げられなくてもずっと一緒にいられると思ってた好きな子が急に「高専卒業したら加茂と縁切ります」って宣言してきて自分と彼の年齢差や高専が四年しかないことを考えたら会える期間なんてあとほんのわずかだって呆然としちゃったんだよね。
簡単に加茂を捨てる決断をした彼に自分が愛される可能性なんて一欠片もないんだからって捨て鉢になって残り少ない時間を心のまま自由に振る舞うくらいって思ってしまった。
すれ違いすれ違い。
情状酌量の余地はある。とはいえ夜中風呂上がりに部屋に忍び込むのはさすがにやり過ぎだった。
年下男の気遣い無駄にして煽り散らかしたお前が悪い。

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