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【MHA】『本物の分倍河原仁』だけを愛した男

*死ネタ

主人公は分倍河原が事故を起こしてクビになったときには別件の事故(被害者側)で入院してた元同僚。
分倍河原が増殖して悪事働くようになったころになって再会するも、当時片想いからいろいろ世話焼いてそれなりに懐いてくれてると思ってた分倍河原が自分を頼ることなくいなくなっちゃったことに密かに傷ついてた主人公は「こんなにいっぱいいるなら一人くらい俺のこと好きになってくれる分倍河原もいるんじゃね!?」とちょっとやばい方向へ。
(ちなみに分倍河原は元々主人公のことが好きで「もし頼って裏切られたら生きていけない」と思ってあえて頼らなかっただけ)(なので増えた分倍河原たちもみんな主人公のことが好き)(だけど知られたら嫌われると思ってるから全員表には出さない)
そんななか優しくされてついに心を開いちゃった一人の偽物が主人公とらぶらぶに。
主人公は唯一自分を好きになってくれたと思ってる偽分倍河原を『俺の本物』認定して指輪を贈りデートを繰り返し束の間の幸せを満喫するも、その抜け駆け行為が引き金になって例の地獄の九日間に発展。主人公が本物認定した偽分倍河原はいの一番にリンチにあって殺された。
全てが終わったあとようやく居場所を特定して駆けつけた主人公は椅子に縛り付けられた情緒不安定な分倍河原本人を「指輪がない。お前は俺にとっての本物じゃない」と突き放し「あいつのそばにいてやらなきゃ」と目の前で自殺。
残ったのは床に落ちた指輪と選ばれなかった自分だけ。
唯一愛された自分は自分の目の前で嫉妬した自分に殺されて主人公といっしょにどこかへいってしまった。
あれは本物じゃない。本物は自分だ。あれは偽物で、でも自分なのに、自分と同じなのに、どうして“あれ”だけが愛されたのか、分倍河原にはわからない。

***

主人公は『唯一自分を愛してくれた(と思ってる)分倍河原』を『自分にとっての本物』として扱っただけなんだけど分倍河原はそれを『自分が本物なら愛してもらえる』と解釈してしまった。
自分こそが『本物』だと証明できれば死者に愛してもらえるのではというありえない希望を抱えて、しかし自分が偽物だったらと恐れて動けずにいる。どこまでも愚かで哀れな男。

***

増えた個体も全部同じ思考経路を辿るから愛されたくて自分が本物だって言い張るんですよ。かわいいね。もう主人公は死んでんだから今更なのにね。

***

最終的に分倍河原は原作と同じく自分が本物であることを確信して幸せに死ぬ。

あいつが偽物に渡した指輪もいまは自分が持ってるから、きっとあいつもわかってくれる。
連合という居場所を得て、仲間を恵まれて幸せになれた。これからだって幸せになれる。
さあ、あいつに会いにいこう。
今度は、今度こそ、俺を。俺が。

俺が本物だ!おれをあいしてくれ!

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