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【剣盾】バラエティ番組のトーク力がめきめき上がっていくチャンピオンダンデ

うだつのあがらない自分に盲目的に懐いてくる才能ある子供の目を覚まさせるために「お前といてもおれは全然楽しくない」って冷たく拒絶したら十数年後チャンピオンとして目覚ましい活躍をしている青年が様々な人脈やら得た面白ネタやら業界の裏話やらの豊富なすべらない話をひっさげて「楽しい話をしよう!」って訪問してきて一旦静かに家の扉を閉めるまだギリギリ青年なハロンタウンの年上幼馴染み。
自分の言葉がそういうふうに受け取られてるとは思ってもみないから普通になんのつもりだこいつってなる。絶縁したつもりでいたのに距離感が近すぎてこわい。

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このダンデさんは子供のころはあんまり変わらない表情の裏で死ぬほど傷ついてたし大人になってからは笑顔の裏で必死に主人公の顔色窺ってる。めったに人に懐くことがないぶん一度懐いた相手を諦められないかわいそうな王様。
(なお主人公はダンデさんの才能にコンプレックスこじらせてるので人を惹きつけるオーラや場を盛り上げる巧みな話術を見せつけられるたびに心の距離が広がっていくクソ仕様)

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ほらなやっぱり昔のおれは正しかったんだおれとこいつじゃ住む世界が違うあのまま一緒にいたっていずれ幻滅されてたに違いないお互い時間を無駄にして傷付かずに済んでよかったよかったじゃあこれからもお元気でさようならって去っていこうとする主人公をダンデさんは失敗した楽しませることができなかったもう一度!って引きつった笑顔で引き留める。
もうあの頃みたいに隣で穏やかな時間を過ごす許してはくれないけど、訪ねるたびにまだ長いタバコの火を消して煙を吸わせないように窓を開けてくれるところだとか寒い日には部屋の温度を上げてくれるところだとか、そんな何気ない行動に昔と変わらない優しさを見つけてしまうからどうしたって諦められないんだ。

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