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【呪術】貢ぎ癖のある主人公VS貢ぎ癖のある伊地知さん

疲れてる主人公を見るとジュースとかプリンとか渡そうとしてくる貢ぎ癖(少額)のある伊地知さんと疲れてるときに伊地知さんを見たらなにかしら渡そうとしてくる貢ぎ癖(気がひける額)のある主人公。

***

「伊地知……物はいいから……おつかれさまですって言いながらハグしてくれないか……」
「え、ええ?…………お、おつかれさまです……?」
「ありがとう伊地知寿司と焼肉どっちがいい?」
「やめてください!そんな簡単に奢ろうとしないでください!」

***

「◯さん、この商品のオマケ集めてましたよね?任務先の近くのコンビニで売ってたので」
「はァ〜〜……伊地知、お前ゲーム好きか?」
「まさかとは思うんですけどゲーム機本体買い与えようとしてません?」

***

主人公の言う寿司と焼肉は回らない寿司と綺麗なサシ入りの高級肉。前に一回押し切られて貢がれたことがある。
過去の経験からこいつはゼロ四つ以上の額を貢ぐことに躊躇いがないと学習したので伊地知さんはもう安易に「はい」とは言わない。
伊地知さんとしては見ていて心配になるくらいくたくたになるまで頑張って稼いだお金なんだからもっと大切に使ってほしいと思ってるんだけど主人公は苦労して稼いだ金を伊地知さんに使いたいのでとても不服。

***

「あの……物はいいので……ハ、ハグを」
「そんなんでいいの?」
「ひぇ」

(後で確認したら尻ポケットにアマギフ券ねじこまれてた)

***

主人公は五条から「カオナシじゃんw」って言われてるけど主人公の一回の貢ぎの額がでかくて霞んでるってだけで伊地知さんも総額でいうとかなり主人公に貢いでる。
二人とも他の人にはそんなことしないので周りからするとめちゃくちゃわかりやすい。

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「つーかなんで伊地知なの?もっと他にいるでしょ」
「あ?そんなもん好きだからに決まってんだろ」

廊下の先から聞こえてきた会話に伊地知は思わず足を止めた。自分の名前と◯の声。なにを、いま、なんと?

「高専の関係者で好感度ランキングの統計取ってみろよ。伊地知の単独トップ間違いなしだから」
「は?僕だろ」
「お前は堂々のワースト一位だわ喜べ」

一瞬固まって、続いて耳に入った言葉に気が抜けて、次いで一度止まりかけた心臓がさぼった分を取り戻すように早鐘を打ち始めた。くらくらと眩暈がする。手足が冷えて目が熱くなった。
知りたくなかった。
◯の『好き』の意味がただの好感度だったことにこんなに落胆する自分がいるなんて。落胆してしまった理由なんて、一生知りたくなかった。

***

ここからはじまる主人公と伊地知さんの鬼ごっこ。
今までどおり接することができなくて逃げる伊地知さんと癒しがなくなってゾンビみたいになる主人公。たまに主人公のデスクにプリンとかが置かれてる。そんなもんいらないから貢がせろ。

***

ある日伊地知さんのデスクに『3ヶ月後に話があるから逃げるな』ってメモが置かれててそこから一切主人公の姿を見かけなくなる。
出張なんて聞いてないし確認したら休職扱いになってるし五条に聞いてみてもなにも教えてもらえなくてひたすら心配してたら約束通り3ヶ月後に帰ってきた怪我だらけの主人公がなかなかえげつない額の通帳を見せて「3ヶ月かけて全力で稼いできた。これで指輪を買おうと思う。受け取るか」って尋ねてくる。
プロポーズだよ貢がれろ伊地知。

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