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【呪術】直哉先輩(22)に懐かれた後輩くん(17)

京都校に特別講師として呼ばれて「役に立ちそうなんは君だけやね。他はアカン。カスの集まりや。君もそう思うやろ?」ってクソ発言したあげく大人な対応をした主人公(17)を気に入って先輩呼びさせてあからさまにえこひいきする人間関係クラッシャー禪院直哉(22)。
この直哉は普通に主人公のこと気に入って普通に愛玩動物扱いで可愛がって普通に人間関係壊して遊ぼうとしてるけど主人公が素直クール系コミュ力満点男なので逆に(なんか猫みたいな人に懐かれたな……)と思われてる。同級生も直哉を嫌いはするけど直哉と仲良くしてる主人公に対しては特になんとも思わない。人間関係チート男。
主人公のパーフェクトコミュニケーションにより気を良くした直哉に「君やったら面倒みたってもええよ。まあ所詮ノラの呪術師やし育てたところで大した意味ないやろけど。あ、そうや俺高専通ってへんから後輩って君が初めてやねん。せっかくやし直哉先輩って呼んでや」と要求されて先輩呼びに。先生じゃなくて先輩なのは直哉に大人の自覚がないせい。精神年齢的には後輩くんのほうがよっぽど大人だったりする。
その後ちょくちょく高専に顔出すようになった直哉と話をしたり稽古つけてもらったりしてたのにパタっと音沙汰がなくなって(飽きたのかな?)って思ってたら突然の無言電話。なんかあったのかと心配になって「禪院直哉に呼び出しを受けた」と嘘をついて禪院家を訪問すると明らかに顔色がやばい直哉の姿が。なんとスランプでこれまで難なく使いこなせていた術式がまったく成功しなくなったらしい。マジか。

「それでずっと一人で練習してたんですか」
「……こんなん誰にも言われへん」
「でも俺には教えてくれた。電話してもらえて嬉しかったです。ありがとうございます」

とりあえず気分転換しにいきましょうスランプのときに根詰めてもいいことないですよと手を引いて着の身着のまま禪院家を出る。財布とスマホがあればあとはどうにでもなるものだ。

***

そうしてタクシー拾って後輩くんがたまに一人で癒されに行ってるでかくておとなしい看板猫の添い寝サービスのある旅館に直哉を連れてってひたすらだらだらして過ごす。(禪院家宛で領収書発行済み)。
はじめは猫より犬派って言ってた直哉は想像してたよりずっと大人しくて柔らかくてあったかいネコチャンを気に入って添い寝サービス中の布団から出てこなくなった。
「……君も入る?」「布団狭いですよ」「くっついたらええやん」
そう言われて直哉がそうしたいならと一緒に寝た。こっちをむこうとしない背中を後ろから抱きかかえて猫を含めて川の字になって健全に寝た。いい匂いがしてちょっとむらっとした気がしたけど寝て起きたらいつものクズい直哉先輩が復活してたので全部忘れた。

***

スランプの一件ののち後輩くんに対し(こいつ俺のこと好きなんやろな)と自意識過剰な思い込みを抱いて(まあ一回ぐらい抱かせたってもええけど)って思うもまったく手を出される気配がなくて結局自分から乗っかってしまう禪院直哉がいる。もちろん一回は一回では済まないしこれ以降直哉の後輩くんに対する人間関係の口出しが加速度的に多くなる。五歳年上のめんどくさい彼女ヅラクズ男の爆誕である。

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