カランカラン、、、




「「ありがとうございましたー」」



「全く、この時期はほんと大変よねっ!こぞってみんなケーキ買いに来るんだから」




「仕方ないよナミ。クリスマスシーズンだもん。でもナミのシフト閉店時間までだよね?サンジ君ほったらかしでいいの?」



「いいのいいの!あいつも自分の店で忙しいだろうし。

それに今日は時給が弾むのよねっ

それより、あんた今日のシフト5時まででしょー。さては彼との約束?」




「うん。今日仕事が早く終わらせるって一昨日メールがきたの!

ここんとこ泊まり込みで研究だったから、ちゃんと会うのは一ヶ月ぶりなんだっ」





「はぁー、ローだっけ?あんたの彼氏。

忙しさにかまけて×××のことほったらかしじゃない」




「うん――…。でも、新薬作るんだって頑張るローを見てたら我が儘も言えないよ



だから、ナミが羨ましいな〜」



「あいつは、しつこすぎるのよ。まぁ愚痴くらいは聞いてあげるからね」




「ありがと、ナミ」



「ふふ、若いわねぇ」




「「うわっ、ロビン!!」」



「そんな若い二人におむずっと差し出された帽子を恨めしそうに見ていると



「×××の携帯光ってるよ〜」


短いスカートをそれ以上に短くしているナミが私の携帯を指差していった




てか、あなた、、、パンツ見えるって、、、



際どいナミを見ながら携帯を手にとるとローからメールが来ていた



――――――――――

悪ぃ、仕事長引く

――――――――――



ただそれだけの短いメール。




また、仕事か。

いつも仕事。





「準備はできたかしら」


ロビンのこえで我にかえった





「、、はい、出来ました。――…あの、ロビン、私もナミと一緒に閉店まで働かせて」



「もちろんよ」





「×××、、。よしっじゃぁ、二人で頑張ろう」






*****


「ケーキはいかがですかー?ご家族のお土産にどうぞー」












さながらバナナの叩き売りのごとく街のなかでケーキを売りさばいた結果、二時間ほどで完売となった








フランキーさん(ロビンの彼氏だそう)お手製の可動式ブースを片付けながら行き交う人を見ていると



街中を歩く人はみんな幸せそうで。








手を繋ぐ人たちや微笑み合う人。

それが、私には一生かかっても手に入れることができないものに見えてしまう。


ローがいるのに、、、一人を感じるんだ





周りを見ているのが辛くて俯きながら片していると、



コツン、、コツン



上品そうな革靴の人がブースの前で立ち止まった



見上げると、帽子を目深に被った男性が一人





「すみません。今日はもう完売なんです」




「…」




「あの、、、」




「――――…な」




「え??もう一度おっしゃ「おれがいないとことで泣くな」





そう言ったかと思うと強く抱き締められた



心地よい香水の香り。おでこにあたる髭の感じ



ああ、やっぱり私は一人じゃなかった







「大丈夫、泣いてないよ」




「泣き声がした、、×××の泣き声が」




「ローがいるから大丈夫。一人じゃないってわかったから」




以前として緩められることのない腕に手をおきながら




「お仕事、よかったの?」





「ユースタス屋に任せてきた。」




「押し付けてきたの間違いでしょ」


「くくく、そうとも言うな。さて、帰るか」




いつも通りの余裕を戻したか、腕を緩め耳元でローがささやいた





「お手をどうぞ、サンタさん。」



「ふふ、いい子のロー君にはプレゼントがいる?」





「いや、もう貰ってある」




ほら、、と私の注意をそこに促した





「っうそ、、、」






「くくく、可愛いおれのサンタさん、これからの貴女の一生分の時間を俺にくれますか?」





いつの間につけたのやら、薬指にはリングがはめられて








「×××が良んだ、おれと結婚しろ」







聖なる日に、聖なる約束を貴女に








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