「ねぇ、ロー。人魚姫がどうして愛する人を残して消えてしまったかわかる?」




「さぁな、愛してたからじゃねぇか?」



「ふふっ、一般的にはそうよね。

でも、私は違うと思うの。きっと、人魚姫はたとえ声がなくても王子さまなら気づくと思ってた。でも現実は違ったの。王子さまは気づかずに別の女性を好きになってしまった。それが、悲しくて辛くて苦しくて、、、、

信じてだ自分が馬鹿みたいで、浅はかだった自分が許せなくて死んだんじゃないかしら?」




「王子さまは、とんだ馬鹿者だな。人魚姫の心は自分の物にしたかもしれないが、命までは奪えなかっただけのことだ。俺なら自分の好きなやつの命ぐらい奪ってやる。そいつが自分で命を断とうものなら、俺がこの手で殺す。」



物騒なことを言っているのに触れる唇はとても優しい。



「俺が死ぬときがお前の死ぬときだ。覚えとけ」







ねぇ、あのときの会話覚えてる?


覚えているなら早く私を殺してよ、泡になって消えちゃう前に






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