こちら、<運命だと思ったんだ>のローサイドとなります。
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(運命?そんなものに俺の人生渡すかよ)
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ほらな、今日も来た。月曜のこの時間あいつはいつも図書館に来て決まった場所に座る。時々顔をあげ窓から海を見ている。
―ーくくく、海好きの女ねぇ。
自分で言うのもおかしいが、俺はもてる。今まで女に困ったことはねェし、これからもないと思う。だが、どうも俺の心臓はあの女を見たときからあいつにしか、反応しねぇみてぇだ。なのにあいつは俺の存在に気づかねぇ
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講義が終わると急ぎ足でいつもの場所にむかう。予想通りあいつはまだ来てない。あいつの場所に先に座る。さて、どんな反応をするだろうか。
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扉の向こうから来たあいつはいつもの場所が埋まっていて不機嫌そうな顔をした。あきらめたのか向かい側に座りちらちらこちらを気にしている。自分の視線に俺が気づいてないとでも思い込んでるのか、それともただの好奇心か、、視線を合わせるように俺が顔をあげると慌ててそらすしぐさが何とも言えなくて気がつけば話しかけていた。
「クククッ、すまねぇな。ここ、あんたのお気に入りの場所だったか?窓から見える海が綺麗なもんでここを選んだんだが。」
いきなり話しかけられてびっくりしたのか、それでも言葉を返そうと顔をあげて、、、、
―ーくくく、全くおかしな女に惚れちまったもんだ。
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(彼女が彼に恋をしたのは、運命でしょうか?)
(いいえ、全て彼の思惑通り)