来るかな、、んー人が多くてよく見えない
「ちょっと、×××。きょろきょるするのやめなさい。まったく子供じゃないんだから」
「ごめん、ごめんナミ」
挙動不審な態度でナミに叱られてしまった。
でも、ナミの言うことはごもっともな話で。
今日は辞任式。先生たちとお別れするのがメインなのだけれど、私にとってはそんなことどうだっていい
あの人に会えれば、、、
「あっ、いたっ!いたよナミっ」
「こら、大きな声出さないの。まったく、あんたは先輩のことになると周りが見えないんだから」
「ごめん」
「はぁ、あともう少しで式も終わるから、ね?じっとしてるのよ」
「――…はい」
私がずっと会いたかった人
ロー先輩は、受験を終え今日は黒のスーツに身を包んでいる。学ランとは違うその雰囲気に頭がくらくらしてくる
長かった校長先生の話がやっと終わり、先輩の元へ駆け出した
「先輩っ」
「おー、×××。なんだ俺がいなくて寂しかったか?」
県外に受験しにいった先輩。約一週間ぶりの再開に胸がつぶれそう
「っ寂しくないもん!」
「へぇ、俺は寂しかったけど?」
「な、っまた、そんなことっ」
「なぁ、俺まだ×××から聞いてないんだけど」
「先輩、合格おめでとうございます。県外にいっても、、っヒク、とき、ッ、どきで、いいから、連絡ッぐだざい、ね、」
昨日一杯練習して、絶対泣かないって決めたのに大好きな先輩を前にして泣かないと言うのは無理な話で
下を向いて涙が止まるように唇を噛み締めたとき、不意に感じた温もりに顔をあげると心音が聞こえそうな位置に先輩がいた
「はぁ、俺が聞きてぇのはそんな台詞じゃねえよ」
「え…?」
「俺はお前に好意を抱かれていると思っていたが?」
「な、っちょ」
「大学にはいい女がいっぱいいるだろうな。」
「――…」
「俺はもてるからな。とられちまうぞ?いいのか?」
「よくない」
「なら、ほら言うことあるだろ?」
「――…」
「…」
「、、好き」
「くくく、やっといった」
その台詞と共に体を包み込む春の風と先輩の温もり
「毎日電話してやる。俺からの電話だ、絶対とれよ」
「なにそれ俺様」
「くくく、なんとでもいえ」
別れは要らないから
どうかお願い私を拐って?
ずーっと前にカナ様から頂いたイラストを元にお話を作りましたっ。駄文ですが煮るなり焼くなりお好きになさってください
イラストはアルバムにございます。悪用禁止です