朝、目が覚める
と、同時に自分が寝るときにはなかったベットの盛り上がりに回し蹴りを食らわす
が、しかし回し蹴りが物体に当たる寸前で、ひらりとかわされる
「あんたも懲りないね、いい加減にしたら」
いつもどおりの朝にため息をつけば
「×××が俺のものになれば今日にでもやめる」
などと、こちらもいつもどうりの俺様な態度
「あたしは誰のものにもならないの」
「ほぅ、それは残念。」
ちっとも残念そうではないルッチにめまいを覚えるのは、なにも今日が初めてではない
別にルッチが嫌いな訳じゃない。寧ろその逆
でも、殺しをせんもんとする私たちが持つべき感情ではない
「あら、まだいたの?」
いつもならさっきの会話を終え次第、文字どおりに何事もなかったかのように部屋を出るルッチが今日はまだなかにいる
出ていく気配はないためそのまま着替えの作業へとうつる
恥ずかしくはない。ルッチになら何度も裸を見られている
断じて言うが体を交えたことはない。ただ任務で仕方なくそうゆう"真似事"をしただけ
ローブを脱ぎ生まれたままに近い姿になる
と、突然後ろから抱きしめられた
「や、ちょっと何すん「×××、……お前は綺麗だ」 え?」
「×××がどう思ってるかは知らねぇが、誰よりも×××綺麗だ」
「――…うそ。あたしなんか汚いの。綺麗じゃない。昨日も、人を殺した。その前だって…」
「…………」
「ね、ルッチ。私たちは汚いの。だから綺麗な感情を持っちゃだめなの」
言い終わるか終わらないかの時、後ろから抱き締めていた腕はすっと解かれ、代わりにくるりと体を反転し向かい合う形になった
「×××、お前は汚くなんかない。人を殺めることの辛さ、痛みをわかってるだろうが」
そう言って、ルッチは頬を伝う涙を拭った
あぁ、あたし泣いてたんだ
あたしも人を愛していいの?
答えはその唇に
そっと溢して
もっと愛して