カツ カツ カツ-

目の前をダンブルドア先生が歩いているところからして、この記憶の持ち主は先生なのだろう。生きていた頃と少しも違わないその姿に少しだけ鼻がツンとなった。

「はてさて、こんなところに扉なんてあったかのう」

そういってダンブルドア先生が手を伸ばしたのは紛れもない”必要の部屋”のドア。一年ほど前まで、あたし達DA-ダンブルドア軍団-の本拠地として使用していた部屋だ。

必要の部屋--それは扉の前にたつ者の必要とする物をすべて兼ね備えた部屋のこと。本人が強く望まない限り現れることはない 


目の前のダンブルドア先生はためらうことなくその扉を開け、、、

開いた扉の先には、目が眩むほどのアオ


そして、鈍く輝く銃口。



「おやおや、まったく不思議なことじゃのう。ちょっとばかし海が懐かしいとは思うてはいたが、、、ホグワーツが海上の船に繋がっているとは、、、ふぉっふぉっふぉ、、、、」


銃を突きつけられているのに、マイペースに一人ごちる先生はすごいと思う。


「じいさん、何者だ?何処から入った?」


「わからぬ。扉を開けたらここにいたのでのう、お前さんらは旅人かね?」


「ははっ、俺たちゃぁ海賊よ。それからじいさん、あんたが出てきた扉。ありゃ俺たちの食堂のやつさ」


「ほうほう。実に興味深い、わしはホグワーツ魔法魔術学校で教師をしておるアルバス・ダンブルドアじゃ」


「マホウガッコウ?馬鹿言っちゃいけねえぜ!証拠はあんのかい?」



その質問に答えるように、先生はさっと手を振り向けられていた銃を棒キャンディーに変えてしまった。


暫しの沈黙。それを破ったのはある男の一声。



「こりゃ、すごい!!本物じゃねえかっ。野郎共、客人をもてなせ!宴だぁぁぁ」


はいよっと言う掛け声と共にせわしなく動き出すクルーたち


「無礼を許せ、なんせこんな世の中だ。俺の名はシャンクス、この船の船長だ」



ニカッと笑いながら手を差し出すこの男―先程沈黙を破ったあの男―


紛れもない赤髪のシャンクスがあたしの(正確にはダンブルドア先生の)目の前に立っていた





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