コトコトーー


今あたしが何をしているかと言うとーー


魔法薬作り



シャンクスの記憶を覗いた後、やっぱり寝ることができなくて

時間潰しがてらに作りはじめて3時間

もうすぐ強力な傷薬ができる


にしても、ここの朝は早い。まだ4時ごろだと言うのに、部屋の外ではひっきりなしに足音がする。

時おり聞こえる話し声に耳をすませば、食料がどうとか。

おそらく4番隊が朝食の仕込みをしているのだろう。





ファァーー


凝った肩を伸ばし、よいしょっと腰をあげる


今になって眠気が襲ってくる。

やっぱり音がしないと眠れないのねー、なんて思いながら小瓶に薬を詰め鍋をきれいに片し、心地よい足音を聞きながら眠りの世界にダイブした。













・・・・

「、、、ょぃ」




ん、なんか声が、、、、



「ぁ、、、よい」



さっきよりもはっきり聞こえた声に頭が覚醒する



「っち、朝だっつってんだよい!!」「うわあっっ!はいっ!」



はっきりした頭で現状を理解する。


時刻は7時。約2時間の睡眠。目の前には不機嫌そうなマルコさん。


一回で起きろよい、なんて言う背中に謝ろうとしたが、すでに彼は部屋から出ていくところで


これ以上怒らせてはまずいと、慌ててその後を追う




向かった先は食堂。



道すがら色々な人とすれ違うも、挨拶をしてくれる隊員なんているはずもなく


みんなが警戒するような目で見てくるから、目が会わないようにと下を向いて歩いた









食堂についた途端、マルコさんは手慣れたように隊長たちのテーブルについた



そこは当たり前だがあたしが行けるような雰囲気ではなくて、昨日あそこで一緒に食事をしたのが今でも信じられない




仕方なく、空いた席を見つけようとしても、食堂はすでに満員状態


困ったようにきょろきょろしても、誰も助けてはくれなくて



やっと隅の方に席を見つけたころには、パン一切れとリンゴしか残っていなかったしかたない、、か


明日からは早く起きて人が集まる前に食事を済ませよう




決意を新たにしながら、朝食を済ませると見計らったようにマルコさんが近づいてきて




「飯がすんだら洗濯しろい。1番隊の連中が甲板にいるから、そいつらに詳しいことは聞きなよい」





そっけなく言われ寂しく感じる。けど、そんなこといってる場合じゃない


早く溶け込んでここの船の仲間にならないと何も始まらないしねっ



そう思ったら少し力がわいてきて

大きく はいっ と返事をした














只今、甲板ーーー


あたしはどうしているかと言うと、、、立っているーー




どうしよう、、、


朝食で、もたもたしたせいかあたし以外の人はすでに洗濯に取りかかっていて


楽しげにしゃべっているので、話しかけられない



見た目はどうあれまだ18歳。大の大人がわいわいしているなかに飛び込め、というほうが無理な話で



一人、ぽつんと立ち尽くしていると

「おー、リンじゃねえかっ!早速洗濯の仕事か?」



「あ、、、、エース」


突然のエースの登場に1番隊の人たちの視線がこちらに集まる


見られることに慣れてないあたしは思わず俯いてしまった




「ほら、リン。マルコに仕事手伝えって言われたんだろ?さくっと話しかけて輪にはいれよっ」




小声でそっと言われ、はっと顔をあげると眩しいくらいの笑顔に勇気づけられた




「ぁ、、あのっ。新しく1番隊に入った野崎リンです。よろしくお願いします。」



ペコリと頭を下げると一気に静まる





ドキドキしたまま顔をあげられないでいると



「まっ、仲良くやれよ!!」



「わぁっっ」



エースにぐいっと体を押され自然と輪の中にはいるかたちになったあたし


勢いに負けて転んでしまった



「ぐはは、そんぐらいで転けるったぁもう歳なんじゃねぇか?」



意地悪な言葉とは裏腹に差し伸べられた手をつかむ



よいしょっと持ち上げてくれた彼に感謝の意をのべようとすると、構わねぇとでも言うように遮られた



「先ずは、道具の場所からだなっ」




そう言って、それぞれがあたしに声をかけてくれる




素直に嬉しい。なんか、仲間、、、みたい



ちらっと振り向いてエースの方をみると遠くから相変わらずの笑顔でこちらを見ていた



「エース!ありがとー!」



「おうっ」


大声で気持ちを伝えると、倍ぐらいの大声で返事がきた



話しかければ、返してくれる


困ったら、助けてくれる



そうゆうのって、何か嬉しいなって思うよ ーーー

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