「ここが、お前の部屋だよい」
紹介されたのは五畳ほどの部屋で、埃の厚みをみても数年は誰も出入りしていなさそうだ
「あ、一人部屋なんですね」
「あいにく、ナース以外の女のクルーはお前だけなもんでねい。大部屋がいいってならそっちを案内するよい」
「だめだめ、マルコ。リンも一応レディなんだから危険すぎるぅぅ!!」
なぜか後ろからついてきたサッチさんが言い返してくれたけど、一言余計
「はんっ誰も年くったババァに発情するほど飢えてないだろうよい。この部屋の隣は俺の部屋だよい。変な行動したらすぐ海に放り出すからねい」
あー、監視ってやつですか。そうですか。そしてババァ言うなっパインめ!あんたもオジサンじゃんかっ
くーっ、もっとマルコって優しくて面倒見がいい長男坊キャラかと思ったのに、、
「何か言いたげだねい?」
「イイエメッソウモゴザイマセン」
ギロリと睨まれれば、言いたいことなんて言えるはずもない
「晩飯になったら呼びにくるよい。それまで部屋にいろよい」
「あ、はい」
「ごめんねー、うちの長男、神経質すぎんのよー。困ったら俺を頼っちゃってくれていいからね」
ひらひらと手を降り、廊下に 消えていくサッチさん
名残惜しげに見ていれば頭上から視線を感じふと見上げれば、パイン、、、じゃなくてマルコさん
視線から逃れるように部屋にはいり扉を閉めると、ガチャリと無機質な音がした
鍵、、、かけられた、、
信用されてないなー。今日になって何度目かのため息をつき部屋を見渡す
部屋にはベッドと机、それから小さめのクローゼットがあるだけ
少しカビ臭い
トランクはいつの間にか運び込まれていたので、杖を一振りし、埃を払うと幾分ましになった気がする
これから一年この部屋で過ごすのか、、、
「よろしくね」
そう呟いてトランクの荷をほどいた