これが俺たちの船だ!!
どーん、と胸を張り誇らしげに手をやるその先には、大きな鯨を模した船。想像以上の大きさに目が点になる
「おう!エース!昼飯はどうなった?」
船の縁から立派なリーゼント頭がひょこっと顔を出した
「それがよ、こいつ、人のペットなんだわ。んで、この女が飼い主。オヤジに用があるって言うから連れてきた」
言いながら、よいしょっとあたしを担ぎ上げ、そのまま体が宙に浮いたと思ったら、さっきまで遥か高くに見えたリーゼントが目の前にあった
なんてゆうか、身体能力が凄すぎる。いろいろと人智を越えてるよね…
「おうおう、俺ぁサッチ。この船のコックさ」
「あ、はい。どうも、、リンと申します」
親しげに差し出された手。握り返した方がいいよね、、、
おずおずと伸ばした手はサッチさんに触れるその瞬間、不機嫌な声と共に現れた浅黒い手に手首を捕まれた
「っち、てめぇら勝手に部外者を船に乗せんじゃねえよい。海軍のスパイかも知れねぇだろうがよい」
ピリピリした空気を纏って現れた不死鳥マルコ。
まじこえーよ。漫画では柔らかい長男坊キャラのはずなのに。これじゃ、ヤクザとかわりない
「おいおい、マルコ。リンが怯えてるだろ?海軍も一人の女をうちに送るぐらいバカじゃねぇさ」
「こんなババァ、何にもできやしねぇって」
ダダンの方がよっぽど強そうだぜっと笑うエースをぶん殴りたい。
見た目は40手前だけど、心は18歳。ガラスのハートを持つ思春期なのに、、、
心のなかで一人ごちながら船内を連れられること5分。ちゃっかり後ろからついてくるマルコさんがとてつもなく恐い。今なら視線で人を殺せる何て言われても信じるよ。
現に今、あたしマルコさんの視線で死にそうだしね