くすぐったい。
もぞもぞ。
そう思い寝ぼけ眼をこする。
敷布の中に何かがいる。
それが何かと判断するにはまだ脳が目覚めない。
ナマエは擽ったさに我慢しながら敷布を体に巻き付けて再び夢の中へと戻ろうとした。
が。

『ひ!』

直に肌に触れる何かに思わず覚醒する。
太股を撫で回したと思ったら腹を渡り胸を捕まれる。

『ぎゃあっ!?』
「おはよう、ナマエ?」
『え、ちょっ貂蝉さま!?なにすんですか貂蝉さま!!』
「えぇ?なにって…ふふ」

貂蝉の手にあるものは見慣れた腰帯。
ナマエは、さっと自らの腰を見ると腰帯はなく、衣服ははだけて胸元がご開帳状態だった。
慌てて前を閉めて貂蝉をみやると当の本人はにこにこと微笑みを浮かべるだけだ。

『腰帯、返してください』
「いやよ」
『貂蝉さま!お戯れは程々に!て言うか昨日夜まで仕事だったのでわたしはまだ眠いのです!お引き取りください!』
「い・や」
『〜〜っ…』

埒があかない、ナマエは立ち上がり戸棚から他の腰帯をまいて締めた。

『朝っぱらからなんなのですか』
「ナマエと遊びたくて」

『呂布殿とでも遊んでてください』
「奉先さまは遠乗りに行ってしまわれたわ。」

いじけるように腰帯をぐるぐると巻いて溜め息を吐く。
ナマエもまた深い溜め息を吐いた。
あの馬鹿殿は、執務が残っているのにも関わらずまた逃げたのだ。
帰ってきたら縛り上げねばなるまい。ナマエはそう誓う。

「だからね、ナマエと遊びたくて」
『だからと言って何故わたしの腰帯を』
「あ、ナマエもこんなむさ苦しい生活してるでしょ?溜まってるかとおもっ」
『おいこらちょっといきなり何言い出すんですか貴女は!!!!』
「照れなくて良いのよ?」
『照れる云々より怒りしか沸き起こりません!』

ギャアギャア喚いてると足に何かが絡み付き掬われ体が浮いた。
そのせいで勢い良く体が倒れこみ尻餅をつく。
体に走る痛みを感じながら足元を見ると貂蝉の多節鞭が絡み付いている。

『は、はい?』
「ほらっナマエおとなしくして頂戴ね」
『ちょっ!いやいや!離してください!貂蝉さま!』

多節鞭が身体中に巻き付き身動きがとれなくなる。
ナマエはまるで打ち上げられた魚のようにびちびちと跳ねるように暴れまくる。

「この口も五月蝿いので少し我慢してね」
『はっ!貂蝉さ、んぐぐ!』

あろうことか貂蝉はナマエの腰帯を猿轡にし口に巻き付けた。

「うふふ、ナマエ、楽しんでね」
『んぐーーーー!!(誰かー!!)』



(けいかいをおこたったがゆえのひげき。)



邸内にナマエの悲鳴が響き渡った。

















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