今日もいい天気。曇りなどひとつもない。
こんないい太陽に恵まれ、今日はなにをしようか。
そんなことを考えながら帯を締める。

『そうだ!村の畑を手伝いに行ってこようかしら』

土いじりは楽しい。
自分の手で物を作るのはとても新鮮だった。それが食物なら尚更。手間暇かけて育て、作り、収穫して調理をして食す。
最高の瞬間と言ってもいい。
畑に行くための鍬や鋤を持っていこうと扉を開けると目の前に呂布が立っていた。

「どこへ行く。」
『…村です。』
「なにをしに」
『畑を手伝いに』
「俺に構え」
『執務でもやってろ筋肉脳』

図体のでかい呂布を避けて歩むと頭に衝撃が走る。
痛みに頭を押さえながらも振り向くと口元を緩めた呂布がこちらを見ている。

『なにすんですか!』
「うるさい。村なんか行くより俺の相手をしろ」
『貂蝉様と遊んでてくださいよ!わたしは忙しい!』
「貂蝉は刺繍をするのに忙しいそうだ」
『わたしも忙しいっつうの!』

ぎゃあぎゃあ騒いでいるととん、と肩が叩かれる。
振り向くとにこにこと笑顔を浮かべる張遼。
ナマエは更に顔を歪ませた。

「どうしたのですかな?お二人とも」
『張遼殿には関係ないです』
「つれないなナマエ。そなたと私の仲ではないか」
『いつそんな仲になったかわたしが知りたいですねえ!』
「俺を放って話するな!」
『五月蝿い!あっち行ってくださいバカ殿が!』
「そうですよ呂布殿。いま私とナマエが話しているのです。黙っててください」
「張遼!きさま!」

五月蝿いのが増えた所為でナマエは溜め息しか溢れない。
騒ぐ二人を背に思い切り走った。

「待たれよナマエ!」
「待たんかナマエ!」
『あーっ喧しい!執務サボってないでやれよ!陳宮殿と李儒殿が泣くでしょうが!泣かせるな馬鹿将軍ども!』

後ろから獣のように追いかけてくる呂布と張遼に死に物狂いで逃げながらも呂布の赤兎馬にひらりと跨がる。
その瞬間、呂布の眼光が鋭くなる。

「ナマエ、きさま!勝手に俺の赤兎馬に乗るな!赤兎馬そいつを振り落とせ!」
『赤兎馬さん!あとでとれたて人参を贈呈するわ!走って頂戴!』

手綱を引くと赤兎馬は大きな鳴き声をもらし、駆け出す。

「赤兎ばあああああ!!!!!」
『ありがとう赤兎馬さん!愛してる!』

ヒヒン、と嬉しそうに鳴く赤兎馬と共に大回りして村へと向かった。
村に着き、とれたての人参をあげ、ご満悦の赤兎馬を待たせて村人たちと畑仕事をした。

『うん、いい汗かいた!』

赤茄子を頬張って汗を拭った。

「お?ナマエじゃんか」
『あ、高順殿』
「今日も手伝いか?」
『はい。城には五月蝿い野郎どもがいたので』
「あー」

とれたての赤茄子を投げると礼を言いながら頬張る。

「おい、汁が垂れてっぞ」
『あ、ほんとだ。』
「拭くなよ勿体ねぇなぁ…」

そう言うなり荒い息で顔をぐいぐい近付け、手に滴る汁を舐めとる高順の腹に蹴りを入れる。
将軍だって?関係ない。ただの変態に対する正当防衛だ。

『くたばれ!変態が!』
「相変わらずイイ蹴り」
『くたばれ屑が!肥料になれ!』
「俺という肥料が作物を育ててその作物がナマエの口に入る…お前の中も俺が」
『しね!』

投げた鍬が見事にヒットした。

「高順!きさまは俺を差し置いて!ナマエに構ってもらうとは何事だ!」
「高順殿!誰の許可を得てナマエの手に触れた挙げ句、舌を這わせと許可をしたのですか!」


(ようこそ!呂布と愉快な仲間たちがいる軍へ!)

『あーあ。旗揚げしようかな…』
「あのオ、ナマエさま、殿様たちどうすんで」
『両腕両足縛り付けて案山子にでもしてていいと思う。むしろ野犬の餌にして』

















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