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「バカ野郎バカ野郎っ、このバカ野郎!!!!!」
「あぁ、悪いサッチ。悪かったよ」
俺を抱えながら走るサッチはその身体に包帯が巻き付けられていた。
どうやら死に至るような怪我を負うことはなかったらしい。
「絶対許さねぇからな!!!!お前だけ、しばらくデザートなしだからな!!!!!」
今にも泣きそうな顔で走るサッチ。
俺の顔には笑顔しか浮かばない。
「それは困る。船を降りてから、サッチの作る料理が恋しくてしかたなかったんだ」
「沢山作ってやるよ馬鹿野郎!無茶しやがって!!!」
空を見上げればエースも同じようにマルコに怒られている。あぁ、たぶんマルコの方が怖いだろうな。エース泣きそうな顔してるし・・・あ、泣いた。
「マルコもすっげぇ怒ってるんだからな!親父だってすっげぇ怒ってるし、怒ってねぇヤツなんていねぇんだからな!!!覚悟しとけよ!!!!」
「そりゃ怖い・・・誰か庇ってくれないかなぁー」
「諦めろ馬鹿野郎が!!!!」
あぁ、口から笑い声が零れてしまう。
船はもうすぐだ。
あの麦わら少年・・・ルフィも船に引っ張られている。
もう船の目の前だ。
サッチが俺ごと船に乗って、エースを抱えたマルコも船に降りて、そして――
「グラララララ!!!!この馬鹿息子共がぁ・・・!!!」
エースは泣いてる。嬉しそうに。
俺はつい肩をすくめた。
「ははっ、まだ俺のこと、息子って思ってくれてたんだ」
「アホンダラァ、お前は後で説教だ」
「・・・そりゃ怖い」
あぁ、笑いが止まらない。
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