平行世界を行ったり来たり「俺気付いちゃったんだよなぁ」
何度もこちらとあちらを行き来する体質となってしまったナマエの言葉に、リゾットは「何をだ」と言った。
もはやこちらとあちらの両方で暗殺チームのメンバーとなったナマエは、仕事に関しては引っ張りだこだ。
「俺、こっちの世界からあっちの世界を行き来しちゃうようになっちまったろ?時にはメシ食ってる途中でこっちに来ちゃうこともあるんだ。そこで気づいた・・・この手の中にあるピッツァはあっちの世界のものなのに何故こっちに持ってこられるんだって」
神妙な顔で言ったナマエはリゾットの手をギュッと握った。
「もしかしたら、俺に触れてるものも行ったり来たり出来るんじゃ――?」
その瞬間、リゾットは景色がぐるんっとひっくり返る感覚を感じた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「あ、リーダー。こっちが前に話してたリーダーです。あ、リーダーもリーダーです」
目の前に自分がいる状況にリゾットは軽く・・・いや、多大なる頭痛を感じた後、すぐに元の世界に帰ることが出来た。