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ガブッ

「ぅ、ぐ・・・」


首筋を深く噛まれ、ちくりっとした痛みどころじゃない鋭い痛みが走る。


その傷口から血を吸われていく感覚に俺は顔をしかめた。

逃げようとも腕でがっちりとホールドされている身体はぴくりとも動いてはくれない。



しばらく吸われ、ぱっと解放された俺は貧血でふらふらする身体にその場にしゃがみ込んだ。





「DIOっ、噛み過ぎだ・・・!」


自分の唇をぺろっと舐めているDIOに首を抑えながら怒鳴りつければ、DIOはふっと笑った。





「痛みに歪んだ顔の方が、血が更に美味く感じるぞ、ナマエ」

「・・・そーっすか」


何を言っても無駄っぽいな。はい、把握。


今日は一段と吸われたらしく、身体がだるい。




DIOはそんな俺に近づいてきて「何だ、もうへばったのか」などと聞いてくる。





「お前のせいだ。たっぷり吸いやがって」

「これでも我慢してやっているというのに、本当に人間は貧弱だ」


ニヤニヤと笑うDIOを一発殴っても良いだろうか。


その場にしゃがみ込んだまま立ち上がらない俺をひょいっと持ち上げてベッドに投げるDIO。

柔らかいベッドの上だったからと言って、衝撃が全くないわけではない。余計にふらふらしてきた。





「おいコラ、もっと丁寧に扱え。マジふらふらするんだからな」

「ふっ、なら丁度良い」


「ぁ、おい!上に乗るな!」

ベッドに寝転がる俺の腹に跨ってくるDIOに俺はその重みに「うぐっ」と声を漏らす。



それが気に入らなかったのか、DIOはむっとした顔で「貧弱貧弱」と呟く。





「おい、DIO」

「ふふんっ」


俺の腹に跨ったまま俺の頬を撫ぜたりつついたりして遊ぶDIOに、俺は諦めたように静かにする。


俺が黙ったことで調子に乗り始めたのか、DIOは上半身を倒してきて俺にぎゅっと抱きついてきた。

自分の頬を俺の頬に摺り寄せてみたり、頬や額にキスを落としてみたり・・・





「・・・何がしたいんだ、DIO。甘えてるつもりか?」

「そうだと言ったら、お前はこのDIOに何をしてくれるんだ?」


ニヤニヤした顔のまま俺を真っ直ぐ見つめるDIOに、俺はため息を吐いた。





「さぁ。お前がしてほしいようにするさ」

どうせコイツは、俺が言う事を聞かなきゃ拗ねるんだから。




「ふっ。じゃぁ、このDIOを存分に甘やかせ」

「別に良いが、その前に休ませてくれ」


「貧弱ぅ・・・」

「お前のせいだってことを忘れるなよ」




そう言いつつ、俺はDIOのことをぎゅっと抱きしめてその頬にキスをした。






「うりぃ・・・口じゃないのか、ナマエ」

文句ありげな目で睨んでくるDIOに俺は再びため息。




「少し寝て、元気になったら相手をしてやるよ」

「・・・ふんっ、だったらさっさと寝ろ」


「はいはい」



DIOという抱き枕を強く抱きしめながら、俺はゆっくりと眠りについた。








万年貧血事情



(起きろナマエ、血を吸わせろ)
(・・・今寝たばっかなんですけど)




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