おまけ
「あ。リーダーお帰りー」
帰ってきたリゾットを最初に迎え入れたのはプロシュートとペッシだった。
二人はいち早くリゾットの右手にあるものを見つける。
「よぉ、リゾット。・・・ん?何だその箱」
リゾットは無言のまま机の上に箱を置き、ゆっくりと開いて見せる。
「わぁ!ケーキだ!」
嬉しそうな顔をするペッシを横目に「・・・土産だ」と小さく言ったリゾットに、他のメンバーも集まってきた。
「お前が土産とか珍しいな。・・・あ、そういえばお前、玄関にサイト落としてたぞ。大した金額も入ってなかったが、俺達にとっては大金だろ」
「!・・・そうか、玄関に落としていたか・・・」
ギアッチョの言葉に少し目を見開いたリゾットは、軽く額に手を当てる。
「というか、金もないのに良く買えたな。・・・まさか」
「いや・・・おごってもらったんだ」
「へぇ!ケーキを人数分も買ってくれるなんて、気前の良いヤツもいたもんだね。女?」
メローネが身を乗り出して「あ、俺これが良いー」と勝手にケーキを持って行こうとする。が、もちろんそれはギアッチョに殴られて終わった。
「・・・いや、男だ」
「何だ、男か」
残念そうに言うメローネだったが「あれ?」と声を上げる。
「もしかしてリーダー、ナンパされた?」
「・・・ナンパというか、金がなくて困ってたところを助けて貰った。・・・食べ歩きもさせてもらった」
今日食べたものが美味しかったのか、リゾットは少しだけ笑みを浮かべる。
良いなぁ〜っと声を上げたペッシにプロシュートが「・・・金が入ったら連れてってやるよ」とため息を吐いた。
「物好きもいたもんだな。あ、俺モンブランな」
「・・・ナマエは不思議なヤツだった」
「ナマエって・・・名前まで覚えたのか。もしかしてリゾット、お前結構ソイツのこと気に入ったのか?」
「・・・・・・」
リゾットは無言のままミルフィーユを箱の中から取るとスタスタと歩いて行ってしまった。
「・・・無言は肯定、かな?」
「うぜぇぞ、メローネ」
ニヤニヤと笑うメローネの頭をギアッチョのホワイトアルバムが襲った。