「世の中ってさ、不条理だよねー」
「何がですか」
「何であたし休みの日に学校来て椅子なんて運んでんのかな」
「そういう役回りなんじゃないですか?人生が」
「やんのかコラ」


そう、あたしは折角の休みなのにも関わらず、汗水垂らして椅子を何十個も(そう、何十個も)運んでいるのだ。いや、運ばされているのだ。


「はいはい文句言わないでさっさと運ぶさー」


そう、この男に。


「ハーア今年の生徒会長暴力変態!あっ間違えた変態!」
「直ってないさ」
「大切な事なんで二度言いました」
「ちょっと変態生徒会長早くどいて下さいよ、変態なんで邪魔なんですよ変態だから」
「なんで3回「大切な事なんで三度言いました」
「大体どうしてクラスのお花係のあたしが椅子運ばされてるの?何プレイなのこれは?」
「うわぁ変態はやることが違いますねえ女の子(仮)に椅子運びプレイとは」
「おい仮ってなんだ仮って」
「変態じゃないし!大体女の子(仮)がプレイなんて言葉使っちゃいけません!めっ!」
「おい仮ってなんだ仮って」
「うわぁ椅子運びプレイの次は幼児化ですか流石ですね変態生徒会長、やることが違いますね」
「リナリーこいつら何とかしてくれさー!」
「なまえをお手伝いに呼んだのは自分なんだから自分で何とかしなさい変態、じゃなかったラビ」
「…リナリーに言われると自分が本当に変態に思えてすっごいへこむさ…」
「おめでとうございますやっと気づいたんですねおせーよ」
「え、アレン最後どうしたさ」
「ねえそれよりなんで神田は此処に居ないのさー!?お花係のあたしじゃなくて筋肉蕎麦の方が絶対役に立つと思うんだけど」
「そんな硬そうな蕎麦嫌ですよ」
「茹で時間5分は延ばさな駄目さね」
「ああ、神田は椅子じゃなくて他のもっと重いもの運んでるのよ、なまえ」
「え、でも体育館にはいなそうだけど」
「入学式の日なのに保健室を改装してるらしいのよ、だからそのお手伝いに駆り出されちゃってね。まああの先生の事だから何したっておかしく無いから」
「…あー成程ね…」
「まあごちゃごちゃ言ってないでさっさと椅子運ぶさー」


ちくしょうこの変態生徒会長め!軽々6脚を持ち上げてすたすたと歩いていく変態の背中を後ろから睨みつけた。あたしの周りにはまだまだ体育館を埋め尽くしているパイプ椅子の一部がうじゃうじゃと固まっている。………よし。手近な椅子をテキパキと折り畳んで両脇に持つ。秘技・6脚持ち!あたしも(実は)現役バスケ部員だ。オルァ現役のポテンシャルナメるなよパイプチェアァア!!
えっちらおっちら舞台の下の収納まで運ぶ。おし。これで確か57脚、…56脚?
決めた。100脚運んだら後で変態生徒会長に100円分、10枚焼肉さん次郎買って貰うんだ。決定。ふん、100枚って言わないだけ有り難く思え変態生徒会長!


「おっし今日は焼肉パーチーだ!」
「保健室に行きましょうか」



現役のポテンシャルが花開いたらしい

10/02/02
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