見上げれば空は白く塗り潰されていた。所々から見える青は限りなく薄くて、頼りない。天気予報では雨のち晴れだったから、運よく雨が降らなかっただけいいと諦めよう。それに、からっからに晴れているより涼しくていいじゃない。うん。


「雨、降りそうだな」
「ちょっと園田くん縁起の悪い事言いなさんなよ」
「おばちゃんか」


視線を落とせば薄茶色の土に引かれた沢山の白いライン。建てられた白いテントの中で忙しなく走り回る先生達。万国旗が白い空を分けてゆっくりと揺れていた。


「いよいよ本番かあ」
「………やっぱり俺体育会系だからかな、本番になるとさ、」
「「………燃えますよね」」
「分かるよ、私も一応バスケ部だし」
「一応って何だよ一応って」


園田くんが笑うのにつられて、私も声を出して笑う。今、8時53分。あと7分で、体育大会が、始まる。やるべき事は、全てやった。後は、走り切るだけ。


「頼んだぞ、委員長」
「おうよ」


なんとなく青春っぽく拳を突き合わせる。やっぱり私こういうの好きだ。自然と笑みが零れる。

生徒整列を告げるアナウンスが鳴った。


「…………なあ、なまえそういえばプログラムのチェック昨日ちゃんと終わったのか?」
「……………」
「もしもしー」



とりあえずどうにか準備は出来ているらしい

10/06/15
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