嗚呼昼間からもう色がギラギラしててもう五月蝿いったらない。なにこのカラーパレットな人々。てか皆元旦からこんなに活動してるなんて元気なもんだなあ。神社の本堂に向けて人の川が限りなくゆっくりとした速さで流れていく。かくいうわたしもその一部となっている訳で、何時もならばおうちでこたつに足を突っ込んで、というより身体を突っ込んでお笑い番組を観ているはずのわたしは一体いずこへ旅立ってしまわれたのだろう。元旦にこんなアクティブなわたしってほんと奇跡に近いと思うのだ。実際こたつと一体になってテレビにかじりついていたわたしを真田の般若面と柳生のレーザービームバイ眼鏡が引き剥がして半ば引きずられるように此処まで連れて来られたのだ。因みに仁王からちょこばななという名のワイロを密かに頂いたのが最終的に決め手だったということはトップシークレットである。ナイスちょこばなな。でも仁王、これ凄く隠しにくいんだけどちょこ溶けてべたべたしてきたよちょっと仁王さん。あからさまに顔を背けるんじゃない。ちょ、肩震えてるじゃんあからさまに笑い堪えてんじゃんこのペテンがああ。後で袋から出した林檎飴背中に突っ込んでやるかんな!背中べったべたになっちまえばーかばーか!皆まだ何も出店で買い食いしてないのにわたしだけちょこばななもぐもぐしてたら新年早々真田に絶対怒られる。ばななはおやつではない!とか言って。あっ違うか。

「ばななはおやつだよね」
「ぅやっはあ!びっくりした」
「なにその声」

ああ新年早々ひとのこころをこのお方はお覗きになられたようです。当の本人はぅやっはーだってーとか言いながらけらけらと笑っている。このひとに関してならばけらけらと、というよりくすくすと、と言う方が表現的には正しいけれど。笑う度に群青の髪が昼間の日差しに揺らめいてきらきらと光った。成程このひとは元旦になると後光も差すようである。あーあもうさ、皆こんな並んでお参りしなくたって幸村でいいじゃん幸村でさあ。ご利益ありそうだし目の保養になるし。こころの中で幸村に手を合わせて祈る。どうかこれ以上腹周りがサイズアップしませんように。今日の短パンが正直キツイんです神様。息止めないと上がらなかったんですファスナー。お願いします神様。

「ふふ、」
「うわっびっくりしたかみさ、じゃなくて幸村どうしたの」
「いや、皆頑張るよなあと思って」
「へ」
「僕に祈ればいいのにね」


11/01/01
2011年も魔王どころじゃない幸村
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