BLACK COAT05
「あいつ…何やってんだ!?」
イラつく。
『おいていかないでね!』そう言って出て行ったはいいモノの潜るのはもう半日後に迫っている。
また洋服でも作る気なんだろう。
そう思ってはいるものの、こうも帰ってこないと心配になる。
男について行ったか?…いや、それはないな。
あいつが昔からおれのことを好きなのは重々知っている。
そこらのチンピラには負けない力も持っている。だが…
「チッ!!!」
こんなことなら電伝虫を持たせるべきだった。
「キャプテン!!どこ行くの?!」
ベポの言葉にも耳を貸さず、刀を持って船を降りた…ところで向こうからヨタヨタと歩いてくるテイラーの姿を見つけた。
…心配して損した。
山のようなリュックを背負って泥だらけのテイラー。
『ただいまァ!!ロー。』
のんきな一言に帽子を深く被りなおして、ゴンと一つ拳骨を落としたのは言うまでもない。
「心配させてんじゃねェ…。」
みれば、顔中に切り傷擦り傷。
洋服は穴だらけ。
「ったくどこに行ってたんだ!?」
『ん〜ちょっとね〜、山までレアものの採取しにいってた。これから部屋に籠るからいいって言うまで開けないでね!!』
「ちょっと待て!!手当は…」
『そんなの後あとォ!!って、入らないし!!!』
楽しそうにスキップをしながらでっけェ荷物を揺らして船に駆け上がるテイラー。
しかし入り口に引っかかって勢いよく後ろにはじかれた。ドアにはじかれた。
…バカ。
入り口で詰まって中に入れねェほど拾ってくるんじゃねェよ…。
「無理矢理入れんな。船が壊れる。」
『ロー!シャンぶって!!』
「訳すな!!ったく。能力使ってやるから、その前に手当させろ。」
『はいよォ。急いでくださいね〜。』
やれやれと思いながらもサークルを作った。
今度はどんな服が出来上がるのだろうか。
あと少しでおれにとっての最大の山場が来るだろうこんな時に…
テイラーの作ったものが楽しみで仕方ないなんてな。
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