海に沈む鼓動07
「本当にいいんっすか?」
「しつけェ。いいんだ。」
「あいつ、この景色好きでしたよね。」
「あァ。」
「なんか、いいね。いつか探し出せたら…。ビブルカード…っと。」
「さよなら…じゃねェよ。」
カリプソの心臓を箱に入れて、カギを掛けた。
寂しくないようにはした。
おれとクルーの持ち物を少しずつ詰めた。
外が見えるように、カギ穴はガラス張りにしてやった。
【これじゃ、ギュウギュウだよ。ふふふふ。】
そんな声が聞こえた気がした。
「あぁ。我慢しろ。お前を見つけるのが楽しみだよ。」
「「「「必ず見つけてやる!!!」」」」
「愛してる。」
アイツ一人には大きすぎる箱。
それを右舷のヒレからそっと海に流した。
ゆっくりと、海底に沈んでいく箱。
それは、おれ達にしか開けられない、宝箱なんだ。
待ってろよ。
海賊王になった次には、この宝箱を目指す。
面白れェじゃねェか。
なァ。
カリプソ。
それまで待っていてくれよ。
Fin
[*prev]
←←←AHP top
[ 7/7 ]