自分が当たり前だと思うことが相手には変わっていたりする。いわゆるカルチャーショックだ。私のクラスメイトである一之瀬一哉はアメリカ暮らしだったからなのか妙に馴れ馴れしくて日本育ちの私にはとてもじゃないけど耐えられない。出会った当初握手を求められたそれならまだ普通にわかるのだが握手の次にきたのがハグだった。おいおいここは日本だぞ?まあ、あげるとまだまだ沢山あるが今はこれくらいにしとこう。
そんな少し変わっている一之瀬くんが私は苦手だった。だってされるこっちは恥ずかしいんだから。そんなことを考える時に「やあ!」ああ噂の彼がいらしたわ。

「君とこんな所で会うなんてね!」
「まあ普通に廊下ですけどね」

そうだったね、と白い歯を光らせる一之瀬くんに眩しいっと手をかざした。そしたらあはっ何してるの?とまた爽やかな笑顔を私に向ける。綺麗な笑顔だな。

「一之瀬くんは大胆だよね」

私がそう言えば一之瀬くんは何が?と聞いてきた。あ、またカルチャーショック。

「女の子に、大胆だよね」
「……俺そんなに大胆でもないよ」

好きな子にもまだ告白できないヘタレ野郎だからね。だなんて、驚いた。
彼には好きな子がいたのか。好きな子がいるなら話は別。苦手とかそんなの関係ない。私も協力してあげると名乗り出た。

「協力、してくれるの?」
「うん。なんでも言って」

そう言うと少し気まずそうにはにかみながら言った。


「君だよ」


揺れる友愛数
Title.にやり
一之瀬祭様に提出



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