朔×涼一(高2)。
朔と涼一は通っている高校が別で、朔と宮内くんは同じ高校です。
 
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こんにちは、宮内です。
朔の友達であり、涼一の友達です。朔とは同じ高校で仲良くなり、涼一とは中学時代の3年間、同じクラスでした。
朔は真面目で温厚な優等生、涼一は色恋沙汰で揉めてばかりのトラブルメーカー。
そんな2人がくっついてしまったので正直ビックリです。
いや、そもそも2人を出会わせてしまったのは俺なんですがネタバレになるので詳細は伏せます。
 
一見いつも仲の良さそうな2人ですが、涼一の遊び人気質のせいでわりとすぐにケンカをします。朝、教室で朔がうなだれていたら大抵ケンカをした後です。
 
「おはよう。ケンカ?」
「う」
「もう仲直りしなよ」
「早いよ。原因とか聞かないの?」
「聞かない。君達のケンカいつもくだらないから」
「……。でも悪いのは向こうだから謝ってくるまで仲直りしない」
「……」
 
どちらもあまり折れない性格なので、長引くと気を遣うこっちが疲れます。2人の仲を積極的に取り持つつもりはないのですが、面倒なのでさっさと仲直りさせようと試みます。
 
「もしもし、涼一?宮内だけど」
『うん。何?』
「朔も反省してるみたいだからさ、お前もカタチだけでも謝ってやりなよ」
『えー』
「お前だって本当は仲直りしたいんでしょ?」
『……。じゃあ、朔が謝ってくれたら俺も謝る』
「わかった。絶対な」
 
ふう。今回は意外と早く仲直りさせてあげられそうです。
 
「朔ー、涼一がどうしても朔に謝りたいって」
「ウソ」
「え」
「いま涼一からメールが来たんだけど。謝ったら許してあげるって」
「あちゃ」
「許してあげるはこっちのセリフなんだけど…腹立つ…!」
 
前言撤回。今回は長引きそうです。
 
そんななか、朔が家へ遊びに来ました。俺の家は学校から近く 夜までほぼ人がいないので、よく友達が遊びに来ます。
朔と2人で映画を見ていたら、玄関のドアが開きました。誰だろうと思っていたら、居間に涼一が入ってきました。部屋の空気がいっきに重くなりました。
 
「……よ、よう涼一。今ちょうど朔と」
「バーカ!」
「なっ」
 
涼一が朔に向かって叫びます。
 
「バカバカバカ、バァカ!」
「な、なんだよ」
「うるさいバカ!!」
 
バンと思いきりドアを閉めて涼一は出て行きました。
 
「ちょ、涼一…!」
「いいよ放っておいて」
 
朔が冷たく言い放ちます。あああ。こんな修羅場で板挟みになっている自分が本当に辛いですっていうか正直面倒くさいです。もう何がなんでも仲直りさせてやる…!
 
その夜、いかに2人が自然に仲直りできるかというプランを何パターンか考えました。元々そういう事を考えるのは好きなんですが、なんていうか、もっと世の役に立つ事に頭を使いたいです。
次の日、寝不足の目をこすりながら学校へ行き、早速プランAを実行しようと朔に話しかけました。
 
「ねぇ、今日って暇?」
「うーん…暇じゃない」
「え、なんで?」
「デートだから」
「……。…。は?誰と?」
「誰って涼一だけど」
「え、だってケンカ…」
「昨日の夜 仲直りした」
「えぇっ!?」
「えっ!?」
「……っ、……っっ」
「……な、なんかまずかった?」
「………。いや」
 
これだから嫌なんですよ恋人同士のケンカって。こっちが心配してあれこれ悩んでも当人達はとっとと終わらせてるんですから。
夫婦喧嘩は犬も喰わなかったり他人の恋路を邪魔すると馬に蹴られたり本当に散々ですよ他人の恋愛って。知ったこっちゃないですよ。そんな時、彼女からメールが届きました。そういえば俺には彼女がいたんです。疲れ果てた自分を癒してくださいと思わんばかりにメールを開いたらたいそうご立腹のご様子。ここしばらくほったらかしにしていたのが原因みたいです。ああああ。もうなんか本当に、何もかもが面倒…!
 
 
 

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