「それにしても…その服、歩きにくくない?」

「あなたの格好は歩きやすそうね。」

お互いの服装を見ながら二人はそう言った。

「だって今日はジェミル王国1000年祭なのよ?
いつもよりヒラヒラしたドレスを着せられて当たり前…そういえば、あなたはパーティーには参加しないの?」

「ジェミル王国?ドレス?パーティー?」

「…ねえ、やっぱり変だわ。
あなたは一体…何者なの?」

ナマエの足が止まり、自然と金吾も歩みを止めた。

「何者、って……えっと…」

「………。」

「………。」

「…そういえば名前、聞いてなかったわね。」

再び歩き出したナマエがそう言い、未だ繋がれたままだった手に引かれるように金吾もまた歩き出した。

「そういえば…。
僕の名前は金吾。
皆本金吾だよ。」

「私はナマエ・ジェミル。
ナマエで良いわ。
…やっぱり名前の雰囲気も違うし、呼び名も最初じゃなく後に言うのね。」

「うん。
何だか違う事がいっぱいだね。
まるで別の世界に来たみたい…。」

「…ジェミルって聞いて何も思わないの?」

「?」

ナマエの質問に対して不思議そうな顔をした金吾に、彼女は小さく呟いた。

「あなたの言ったこと、間違っていないかもしれないわ。
私達…本当に違う世界の人間なのかも…。」


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