「ずっと一人だったし、もう誰にも会えないと思ってたから…。」
「それで私を見つけて、安心して泣いちゃったのね。」
出口への道すがら、二人は先程の事を話していた。
ウンウンと頷くナマエに、金吾は少し照れながら笑った。
「僕、すっごく泣き虫で…。
男の子なのに…っていつも言われてるんだ。
僕もダメだって分かってるんだけど…」
「あら、どうして?
男の子だって泣く事はあるわ。」
「えっ?
でも…恥ずかしい事じゃないの…?」
「ううん、私は恥ずかしい事だなんて思わないわ。」
「笑わないの?」
「うん。
誰だって泣きたい事だってあるじゃない。
泣きたいなら泣けば良いと思う。」
ナマエは率直にそう述べたが、金吾は驚いたようだった。
「私もね…」
と、ナマエは苦笑した。
「女の子だからおしとやかにしなさいとか、もっとおとなしくしなさいとか…もうウンザリだわ。
あまり外に出て遊ぶなって言われたりもするの。」
「そうなの?
女の子だからって、そんなの変だよ。
それに、遊びたいなら遊べば良いと思う…。」
「そうでしょう?
それと同じよ。」
「あ…!」
ふふ、と微笑んだナマエにつられ、金吾も納得したように笑った。
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