少年と皇女が出会ってから一年の月日が流れました。
少年は父親の策略により、彼の性格を直すための旅をしていました。
皇女は継承者としての本格的な教育を受けており、ほぼ毎日自室に籠もっているような状態でした。
二人共に一年前とは環境が大きく変わり、また、あの日の事は夢だったのではないかと思っていた事もあり、お互いの事を忘れかけていたようでした。
しかし、再び二人の世界が繋がれる日がやってきました。
怪我をした少年が気絶したまま皇女の部屋に現れ、皇女は手当てを施します。
しばらくすると少年は目覚め、二人は近況を話しお互いを励まし合いました。
夜が遅かったこともあり、二人は皇女のベッドに横になりそのまま眠ってしまいました。
朝になり、目覚めた皇女は隣に少年がいないことに気づきます。
少年は元の世界に戻っていました。
一年間とは違い、今回の事を少年も皇女も夢の中の出来事だとは思いませんでした。
少年に施された包帯が皇女の下から消え、それは確かに少年の腕に巻かれていたからです。
少年は旅を続けるために歩き出し、皇女は勉学のために机に向かいました。
二人のその表情はどこか生き生きとしているように見えたそうです。
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