伊作の部屋には結局6年が全員集まっていた。


「そうか…学園長がそんなことを…」

「なんで俺らがガキの世話をしなくちゃならんのだ…」

「んだと!!??お前いま小愛のことガキっていったか!?」

「どう見たってガキじゃねぇか!!俺はやらんからな!?」

伊作たちはいつものように始まった二人の喧嘩を呆れたように見ていた。

「まぁまぁ。二人共…」

「………」

「しかし小愛のことをガキ呼ばわりするなんてこれだからギンギンは。」


「ギンギンじゃねえ!!!というか仙蔵もそっち側なのか…!」

「そっち側とはなんだ。大体小愛はこのように私になついている。なついてくれる子供はかわいい。さらに私に危害を加えない。危害を加えない子供はかわいい。なぁ?小愛。」

「??うん!」


仙蔵は小愛の頭をなでながらいうと小愛は意味はわかっていないにも関わらず仙蔵に返事をした。
すると仙蔵は面白いことを思い付いたように笑い小愛にいった。

「小愛。あいつはギンギンというんだ。」

「ぎん?」

「あっはっはっは!!文ちゃん小愛にギンギンっていわれてるぞ!!!」

「ちがう!!!!仙蔵待て!!!変なことを小愛に教えるな!」

「なんだ。せっかくお前の名前を教えようと思っていたのに。面白くない。」

「俺の名前はそんな名前じゃない!!!!」

文次郎は小愛のほうをみて少したじろぎながらも自己紹介をした。

「お…俺は潮江 文次郎だ…。」

「もんじ」

「いや…文次郎…まあギンギンよりましだ…。わかったか?」

「うんっ!!もんじー!」

「う…っ(かわいい…)」

にぱーと笑う小愛に文次郎は言葉をつまらせるしかなかった。


「なんだよ文次郎…かわいい小愛についに変態発動か!!??」

「お前に言われたくねぇよ。」

「うるせぇ!!!!!俺は純粋に小さい子が好きなだけだ!」

「「「「うわ…」」」」

「……」

「お前ら引くんじゃねぇー!!!!!!」


ぎゃあぎゃあぎゃあと騒がしい中とうの本人の小愛はうとうと眠そうにしていた。
伊作はそれに気づいて膝の上にのせる。

「小愛眠い?」
「うー…」

「ふふっ…寝ていいよ。お休み。小愛。」

「おやしゅみ…いさっくん…」

しばらくすると寝息が聞こえてきて伊作はみんなに静かにするようにいった。


「ちょっ…伊作小愛ねたのか?カメラどこだカメラ。」

「気持ち悪いぞ留三郎。私も焼き回し頼む。」

「みんな小愛をなんだと思ってるの…。あっ私にも…。」

「まったくみんなド変態だな!!!留三郎私も一枚頼む!」

「もそ(私も)…」

「じ…じゃあ…俺も…」

「とんでもない変態だな。文次郎。」

「仙蔵おまえもじゃねーか…!」

伊作は笑っていたが急にきりっとしてみんなにいった。

「ねぇ…頑張って小愛をそだてようね。小愛の村を焼いたやつから小愛を…守ろう。」


「「「「「当たり前だ。/!!」」」」」

こうして6年の子育ては始まった。





((「伊作先輩子供拾ってきたんだって!!!!!!」
「「「「えっ…」」」」))


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テーマ「人外ファンタジー」
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